プトゥン人の信仰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/11 00:16 UTC 版)
イツァムカナックでは、さまざまな神々が崇拝されていたが、そのなかでも最高神に位置付られていたのは、ククルチャン(Cuculchan)であった。ククルチャンについては、ユカテク・マヤのククルカンやメキシコ中央高原のケツァルコアトルに対応する神として位置付ける考え方と、ショールズとラルフ・ロイズのように、最大の有力商人であるアカランの王をまもる特別な守り神であると考える研究者もいる。 プトゥン人たちは、 さらにイシュチェルや商人及び金星の神エクチュアなども信仰していた。エクチュアを信仰していたのは陸路を用いた商人集団であった。プトゥン人たちの交易活動の活発化に伴って、彼らが巡礼したイシュチェルの祠のあるコスメル島の人口が後古典期を通じて増加していったことが、考古学調査によっても明らかになっている。イシュチェルの祠は、後古典期を通して巡礼が絶えなかったが、このことについて、サブロフなどの研究者は、古典期的な王権と結びついた儀式を行う神官勢力に代わって、未来や知ることが困難な現実の問題に対し、託宣を告げる神官が力を持つようになったという宗教的な変化があったのではないかと考えている。またユカタン半島沿いの交易ルートは、非友好的な地域を通過してコスメル島へ向かおうとする巡礼者を守る役割も果たした。そのほか、プトゥン人たちは、タバイ、カブタニルカブないしカブタニルカブトゥンなどの神々を崇拝していた。
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