フォノンについてのフランク=コンドンの原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 05:08 UTC 版)
「フランク=コンドンの原理」の記事における「フォノンについてのフランク=コンドンの原理」の解説
フランク=コンドンの原理の最も近いアナロジーは、結晶に不純物として埋め込まれた色素の電子遷移と、格子振動の量子であるフォノンとの相互作用である。このような状況では、光子のエネルギーが色素の電子遷移のエネルギーとちょうど等しいか、または電子遷移エネルギーと一つ以上の格子フォノンエネルギーの和に相当する場合に、より高い電子状態への遷移が起こる。十分に温度が低ければ、光子の放出は励起状態のゼロ・フォノン準位から生じ、基底状態のゼロ・フォノン準位またはより高いフォノン準位へと遷移する。フランク=コンドンの原理と全く同様に、フォノンの関係した電子遷移の確率は初期状態と終状態のフォノンの波動関数の重なりによって決まる。フランク=コンドンの原理をフォノンの遷移に適用する場合、図1の横軸座標は原子核配位座標ではなく、図6に示すように基準モードの座標に置き換えられる。格子モード q i {\displaystyle q_{i}} のポテンシャルエネルギーは、図6においては調和振動子のそれとして表されており、フォノン準位の間隔( ℏ Ω i {\displaystyle \hbar \Omega _{i}} )は格子のパラメータによって決められる。単一フォノンのエネルギーは、一般に非常に小さいので、ゼロないし数個のフォノンのかかわるような遷移は、40K以下の低温環境でのみ観測することができる。
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