フィードバック強化型カレントミラー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/20 08:30 UTC 版)
「カレントミラー」の記事における「フィードバック強化型カレントミラー」の解説
図3には出力抵抗を大きくするために負帰還を加えたカレントミラー回路が示してある。オペアンプがあることによって、これらの回路はゲイン増強型カレントミラー回路と呼ばれることもある。あるいは許容電圧が比較的低いため、ワイドスイング型カレントミラー回路と呼ばれることもある。とりわけMOSFETを用いたミラー回路では、この考えに基づいた様々な回路が用いられる。なぜなら、MOSFETはそれ自体の出力抵抗がそもそも小さいからである。図4にはMOSFETを用いたゲイン増強型カレントミラー回路が示されている。ここで、M3とM4は線形領域で動作しており、図3におけるエミッター抵抗REと同じ役割を果たしている。M1とM2は飽和領域で動作しており、図3におけるQ1とQ2と同じ役割を果たしている。図3の回路がどのような動作をするかは以下の通りである。 オペアンプには、抵抗REに接続されているQ1, Q2のエミッター端の電圧差V1 − V2が入力される。この電圧差はオペアンプによって増幅され、出力トランジスタQ2のベースに出力する。もしもVBEが増大すると、Q2を流れる電流は増大し、REの電圧降下が大きくなるためV2も増大し、V1 − V2は小さくなる。結果的に、Q2のベース電圧は小さくなり、Q2のVBEも減少し、出力電流の増大が相殺されることになる。 オペアンプのゲインAvが十分大きいのであれば、ほんの僅かな電圧差V1 − V2によってQ2のベース電圧VBを十分供給することができる。つまり、 V 1 − V 2 = V B A v . {\displaystyle V_{1}-V_{2}={\frac {V_{\rm {B}}}{A_{v}}}.} 従って、REを流れる電流はほぼ等しく、ミラー出力もQ1におけるコレクタ電流IC1とほぼ同じ値になる。IC1は、参照電流IREFによって以下のように決定される。 I REF = I C 1 ( 1 + 1 β 1 ) , {\displaystyle I_{\text{REF}}=I_{\rm {C1}}\left(1+{\frac {1}{\beta _{1}}}\right),} ここで、もしもQ2のVBCが0でないのであれば、Q1 のβ1とQ2のβ2の値はアーリー効果によって異なっている。
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