バナナ型液晶について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/01 02:45 UTC 版)
液晶の発見以来、棒状と円盤状の形を持つ分子のみが液晶材料の対象とされてきた。この研究では、分子の形と液晶配向場の相関を 対称性の視点からとらえ、新規バナナ形液晶を分子設計し、通常の液晶化合物には見られない新規な構造・物性を発見するに至った。これにより、竹添秀男と共に文部大臣表彰を受けた。新規な強誘電液晶相、反強誘電性液晶、 散逸構造を持つ液晶相など多くの液晶相を発見し、また、アキラル分子のキラル液晶ドメインへの自然分晶など特異な構造・物性を発見し、液晶の基礎科学の進展に寄与した。また、巨大な自発分極値、キラル非線形光学効果を観測し、非線形光学、新規 ディスプレイ材料などへの応用を提案した。本成果は現在すでに大きな産業となっている液晶ディスプレイの次世代型モデルとして有望であるばかりでなく、これまでの棒状、円盤状液晶では達成されない多くの技術に資することのできる基盤材料として寄与できることが期待される。 Tokyo Tech Bulletin にはバナナ液晶の研究についての紹介が掲載されている。(英文)
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