バッハの偽作のフルート・ソナタ
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「カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ」の記事における「バッハの偽作のフルート・ソナタ」の解説
大バッハのフルート・ソナタのうち、《ト短調》BWV.1020と(有名なシチリアーナのある)《変ホ長調》BWV.1031の2つは、明らかにギャラント様式が見て取れることから、偽作説が濃厚であり、真の作者として、しばしば成人前のカール・フィリップ・エマヌエルの名が持ち出される。つまり、父バッハの監督のもとでカール青年がこの2曲を作曲し、父親に手直ししてもらったものが父親の作品に紛れ込み、後世の混乱のもととなったというのである。しかしながら、バッハ研究者からのこのような推測に対して、カール・フィリップ・エマヌエルの研究者からは、やはりカールの初期作品とも様式的な相違点が認められることが指摘されている。 双方の言い分を折衷するかたちで新たに提出された推論は、これらの作品が(息子たちも含む)バッハの弟子によって、同時代の、たとえばクヴァンツのフルート・ソナタを手本に新たに作曲したものか、あるいはトリオ・ソナタのような原曲がすでにあってそれをデュオ・ソナタに編曲したもののいずれかであろう、そしていずれにせよバッハが弟子たちの仕事に手を入れてやったものが「バッハ作」として伝わったに違いない、とするものである。
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