ノートレード定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 04:16 UTC 版)
ノートレード定理(英語版)(英: no trade theorem)とは、ある状況下において、たとえ投資家が金融資産についてのインサイダー情報などの私的情報を得たとしても、均衡では金融資産の取引が発生しないという定理である。ポール・ミルグロム とナンシー・ストーキーにより1982年に発表され、多数の拡張がなされている。 ミルグロムとストーキーの論文におけるノートレード定理とは、事前的な富の配分がパレート効率的であり、全ての投資家は合理的で、この二つの事実が投資家の間でロバート・オーマンの1976年の論文の意味での共有知識になっている時に、情報に対する確率的な解釈が一致している(英: concordant beliefs)リスク回避的な投資家の間では、たとえ追加的な私的情報が投資家にもたらされようとも取引が起こらない、ということを述べている。 定理が成立するための仮定は非現実的だが、私的情報を得ても取引が起こらないという直観に反した結果になっている。
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