ナメラベラとは? わかりやすく解説

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ナメラベラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/17 08:35 UTC 版)

ナメラベラ
雄成魚
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: ベラ目 Labriformes
: ベラ科 Labridae
: シロタスキベラ属 Hologymnosus
: ナメラベラ H. annulatus
学名
Hologymnosus annulatus
(Lacépède, 1801)
シノニム[2]
  • Labrus annulatus Lacepède, 1801
  • Labrus semidiscus Lacepède, 1801
  • Hemigumnosus semidiscus (Lacepède, 1801)
  • Hologymnosus semidiscus (Lacepède, 1801)
英名
ring wrasse
ringed slender wrasse

ナメラベラ (学名:Hologymnosus annulatus) は、ベラ科に分類される魚類の一種。インド太平洋に分布し[2]サンゴ礁や岩場に生息する。成魚の体には多数の横縞が入り、幼魚は白黒の体色が特徴である。

分類と名称

1801年にフランス博物学者であるベルナール・ジェルマン・ド・ラセペードによって、Labrus annulatus として記載され、これはフィリベール・コメルソンの絵と記述に基づく。タイプ産地はモーリシャスであった[3]

属名は「完全に裸の」を意味し、鱗が無いことに由来するとされたが、実際は頭部に鱗が無く、胴部には小さな鱗がある。種小名は「輪」を意味し、成魚の体にある横縞を示すが、実際には体を一周していない[4]

分布

紅海および南アフリカから、ソシエテ諸島およびピトケアン諸島まで、北は南日本から、南はグレートバリアリーフおよびラパ島まで、インド太平洋に広く分布する[1]。国内では伊豆・小笠原諸島および静岡県以南の太平洋岸(散発的)、南西諸島で見られる[5]

形態

体は細長く側扁しており、体の鱗は小さく、頭部に鱗は無い。顎の前方には二本の犬歯を持つ。雄は緑色で、多数の青色の横帯が入る。インド洋と紅海の個体群は、体側面中央に黄色の横帯が入る。頭部は紫色で、目を通る緑色の放射状の帯が入る。雌はオリーブ色がかった褐色で、17-19本の暗い横帯が入る[6]。幼魚は背側が黄色、腹側が黒色[5]。全長は通常35cm、最大で40cm。背鰭は9棘12軟条、臀鰭は3棘12軟条から成る[2]

生態

水深30m以上のサンゴ礁岩礁に生息する。幼魚は海底付近で見られ、単独で生活する。魚類や甲殻類を捕食する[2]

人との関わり

地域によっては小規模な漁業で漁獲され、自給的に利用されている。混獲され、観賞魚として飼育されることもある[1]。日本では沖縄県で安く流通していることがある[7]

画像

脚注

  1. ^ a b c Yeeting, B. (2010). Hologymnosus annulatus. IUCN Red List of Threatened Species 2010: e.T187698A8604779. doi:10.2305/IUCN.UK.2010-4.RLTS.T187698A8604779.en. https://www.iucnredlist.org/species/187698/8604779 2025年6月17日閲覧。. 
  2. ^ a b c d Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2025). "Hologymnosus annulatus" in FishBase. June 2025 version.
  3. ^ CAS - Eschmeyer's Catalog of Fishes Hologymnosus”. researcharchive.calacademy.org. 2025年6月17日閲覧。
  4. ^ Order LABRIFORMES (part 1): Family LABRIDAE (a-h)”. The ETYFish Project Fish Name Etymology Database. Christopher Scharpf (2025年2月14日). 2025年6月17日閲覧。
  5. ^ a b 藤原恭司; 本村浩之 (2019-05-13). “鹿児島県南さつま市における 2018–2019 年の魚類相調査で得られた九州沿岸初記録の魚類 9 種”. Nature of Kagoshima 45: 45-69. https://journal.kagoshima-nature.org/archives/NK_045/045-069.pdf. 
  6. ^ Bray, D.J. (2018年). “Hologymnosus annulatus”. Fishes of Australia. Museums Victoria. 2025年6月17日閲覧。
  7. ^ ナメラベラ | 魚類 | 市場魚貝類図鑑”. ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑. 2025年6月17日閲覧。

関連項目




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