トーラスからのトーリック多様体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/23 02:10 UTC 版)
「トーリック多様体」の記事における「トーラスからのトーリック多様体」の解説
トーリック多様体を研究する元々の動機は、トーラスの埋め込みを研究することにあった。代数多様体 T が与えられると、指標の群 Hom(T,Cx) は格子を形成する。この格子の部分集合である点Aの集まりが与えられると、各点はCへの写像を決定し、従ってその集まりは C|A| への写像を決定する。そのような写像の像のザリスキー閉包をとることにより、 アフィン多様体 が得られる。仮に格子点の集まり A が指標格子を生成する場合、この多様体はトーラス埋め込みである。同様のやり方で、上方の写像の射影閉包を取りこむことにより、それを射影空間のアフィンパッチの中への写像だと見なすことで、媒介変数表示(以後、パラメータ化)された射影トーリック多様体が生成するのである。 射影トーリック多様体が与えられると、1-パラメータの部分群によりその幾何を精査できるだろうことに気づく。格子内の点によって決定され、指標格子と双対をなす、各々の1-パラメータ部分群は射影トーリック多様体内部の穴あき曲線である。その多様体はコンパクトであるので、この穴あき曲線は一意的な極限点を持つ。したがって、穴あき曲線の極限点で1パラメータの部分群格子を分割することにより、多面体有理錐の集まりである格子扇が得られる。最高次元の錐は、これら穴あき曲線の極限、トーラス不動点に正確に対応している。
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