トレチノインとの比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/12 06:02 UTC 版)
「トレチノイントコフェリル」の記事における「トレチノインとの比較」の解説
「トレチノイン」も参照 トレチノイントコフェリルのエステル結合を加水分解すると、トレチノインが遊離してくることからも明らかなように、トレチノイントコフェリルとトレチノインは類似物質である。このトレチノンには、マウスやウサギやサルにおいて経口投与すると催奇形性があることが知られている。また、トレチノインはビタミンAの関連物質であり、これらはどちらも比較的生体内に蓄積されやすいため、過剰に投与すると毒性が出てくることも知られており、この2つを併用してはならないとされている。他にもトレチノインには、レチノイン酸症候群をはじめとして様々な副作用が起こることが知られている。これに対して、ヒトをはじめとする生体内にはエステラーゼ(エステル結合を加水分解する酵素)が存在しているにもかかわらず、製薬会社はトレチノイントコフェリルについて次のように説明して安全性を主張している。妊娠前のラットや妊娠初期のラットに1,000mg/kgを投与しても催奇形性は見られなかった。このように、その構造の一部に全く同じ構造を持っているのにもかかわらず(単にトレチノインがα-トコフェロールによってエステル化されただけにもかかわらず)、トレチノイントコフェリルの生体への影響は、トレチノインとは異なっている。ちなみに、トレチノイントコフェリルのもう一方の加水分解物であるα-トコフェロールには、特に毒性は知られていない。
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