トランスによる整合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 14:05 UTC 版)
「インピーダンス整合」の記事における「トランスによる整合」の解説
トランス(変圧器)はインピーダンス整合のために使われる(この場合、変成器と呼ぶことがある)。 一つの例は真空管アンプの出力にスピーカーを接続する場合に用いられる出力トランスである。真空管出力回路に適合する負荷インピーダンスは数 kΩ程度と高く、スピーカーのインピーダンスは 4 - 16 Ω程度と低いので、出力トランスによる整合が用いられる。出力トランスの一次側巻数を N1、二次側巻数を N2 とすると、一次側からはスピーカーのインピーダンスが (N1/N2)2 倍になって見える。たとえば N1/N2 が 10√10 であれば、アンプからはスピーカーのインピーダンスが 1000 倍になって見えるので、 8 Ωのスピーカーは 8 kΩとなって見えることになり、真空管出力回路で駆動するのに適するようになる。 入力側においても入力トランスを用いることがあり、音声回路ではインピーダンス整合とともに、同相雑音除去のための平衡回路を不平衡回路に変換する目的を兼ねることが多い。ただしレコードプレーヤーのムービングコイル (MC) 型カートリッジ用のトランスはインピーダンス整合や平衡‐不平衡変換ではなく、主に昇圧(MM 型とのレベル合わせ)の目的で用いられている。 高周波回路では、受信機のRFアンプなど広帯域が必要な回路で、伝送線路トランスを組み合わせてインピーダンス整合を取ることができる。後述の抵抗減衰器と比べると、適切な周波数にあっては損失が極めて小さいが、変換できるインピーダンス比に制約が生じる。
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