トモグラフィー
試料を連続的に傾斜させて撮影した多数の投影像をコンピュータで画像処理し、3次元的内部構造を再構成する手法。医療分野などで用いられているX線CT、MRIなどによる断層撮影の原理を、TEM像に応用した手法である。たとえば分析用ポールピースを用いた場合は±60°まで1°おきに撮影した121枚の情報を用いて再構成する。試料を傾斜したときのそれぞれの画像の位置合わせの方法には各メーカーの工夫が凝らされている。±80°までの情報が撮れる試料ホルダ、さらには全方位から情報を取れるような試料ホルダも作られている。また、生体、高分子、有機物の観察用に液体ヘリウムで試料を冷却できる用のステージも開発されている。STEM法によるでは、TEM法の場合のような試料位置による焦点ずれがなく、HAADF法を用いれば結晶性試料の場合の回折コントラストも除去できるが、画像取得に時間がかかること、照射損傷や試料汚染が避けられないのが欠点である。
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