トム・プライスの死
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 06:06 UTC 版)
「1977年南アフリカグランプリ」の記事における「トム・プライスの死」の解説
22周目にシャドウのレンツォ・ゾルジがエンジントラブルのためリタイア、コース左脇に車を停止させた。間もなくエンジンから火が出る。この非常事態に2人の若いマーシャルが消火器を持ってコースを横切って近づこうとした。まさにその時、ハンス=ヨアヒム・スタックのマーチと、トム・プライスのシャドウが現場に近づいた。スタックはかろうじて1人目のマーシャルをかわしたが、スタック車に視界を遮られていたプライスは対処する間もなく2人目のマーシャル、19歳のフレデリック・ジャンセン・ヴァン・ヴーレンと衝突した。 ほぼ全速で衝突した瞬間、ヴァン・ヴーレンの体は引き裂かれて宙に舞い、彼は即死した。同時にヴァン・ヴーレンの持っていた消火器がプライスの頭部に激突した。消火器はプライスのヘルメットを割り、衝撃で顎紐がヘルメットの残りを引きはがし、首を切断寸前まで食い込んだ。プライスのシャドウはそのままメインストレートを走行した。車は結局ジャック・ラフィットのリジェに接触した後第1コーナーでコースを外れ停止した。この事故の全容が放送クルーによって撮影された。 ジャンセン・ヴァン・ヴーレンの遺体は激しく損壊し判別不能だったため、レースディレクターはコースマーシャルを全員呼び出し、その中にヴァン・ヴーレンがいなかったため、身元が特定された。
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