トゥンの指摘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 06:48 UTC 版)
米国がん協会・疫学と監視研究のマイケル・トゥン (Michael J. Thun) によれば、米国がん協会の見解として、エンストロームの結論に同意しない。エンストロームが利用したカリフォルニア州でのコホート研究のデータは、米国がん協会が、がん予防研究の一環として、能動喫煙の害を調査する研究目的により得たものであり、受動喫煙の害を評価するためのデータを十分に集めていない。そのためエンストロームの論文は、他の専門家も指摘するように、曝露群の誤分類という致命的な欠陥を抱えている。 エンストロームが比較したのは、研究の開始時点において「喫煙男性の配偶者(非喫煙)」と、「非喫煙男性の配偶者(非喫煙)」であったが、調査対象となった人々は1972年から1998年の間、追跡されておらず、研究期間中において、禁煙、離婚、死別等の要因によってたばこ煙への曝露状況が変動しても一切考慮されていない。また、1999年にこれらの人々を再調査した際、研究の開始時点での調査対象群うち追跡できたのは2%のみであった。 なお、1950–1960年代には、アメリカ人は誰もが受動喫煙に曝露されており、エンストロームは「配偶者のタバコ煙に曝露された非喫煙者女性」と「他のタバコ煙に曝露された非喫煙者女性」を比べているに過ぎない。
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