デーヴァナーガリーと言語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 00:51 UTC 版)
「デーヴァナーガリー」の記事における「デーヴァナーガリーと言語」の解説
デーヴァナーガリーは、サンスクリットを表記するためにはおおむね表音的と言えるが、それ以外の言語を表す場合には、かならずしも音とつづりが一致しない。 ヒンディー語をはじめとして、現代インドの多くの言語では、第一音節を除く開音節で母音aが省略される。したがって、देवनागरी は「デーヴァナーガリー」ではなく「デーヴナーグリー」のように呼ぶ。これにともなって、語末のヴィラーマはあってもなくても同音になり、また子音連結は結合文字を使わなくても書けることが多くなった。 ヒンディー語を含む多くの言語では श (ś) と ष (ṣ) を区別しない。さらに स (s) も区別しないことがある。 ヒンディー語では ai au は長母音 [æː ɔː] を表す。 ヒンディー語では ह ha は [hɛ]、語中の हु hu は [ho] のように発音される。また Cah の a も [ɛ] になる。語末の ह はほとんど発音されない。したがって「これ」を意味する यह は「イェ」のように発音する。 マラータ語やネパール語では母音 i u の長短を区別しないため、どちらの字を用いるかは正書法的な約束ごとになる。 ज्ञ (jña)の発音は言語によって大きく異なる。ヒンディー語では [ɡj]、マラータ語では [ɟɲ] になる。 ほかに、デーヴァナーガリーには以下のような文字が用意されている。 シンド語の入破音を表すための、下線のついた ॻ ॼ ॾ ॿ カシミール語の中舌母音を表すための ॳ ॴ ॵ ॶ ॷ (これらの文字は Unicode 6.0 (2010) で追加された。) ドラヴィダ語の音を表すための ऩ ऱ ऴ
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