ディオファントス近似での結果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/23 05:49 UTC 版)
「クロネッカーの定理」の記事における「ディオファントス近似での結果」の解説
クロネッカーの定理は、ディオファントス近似を 1 ≤ i ≤ N とした複数の実数 xi へ適用した結果としても表現され、これはディリクレの近似定理を多変数へと一般化した定理である。 古典的なクロネッカーの近似定理は、次のように定式化される。実数 α i = ( α i 1 , ⋯ , α i n ) ∈ R n , i = 1 , ⋯ , m {\displaystyle \alpha _{i}=(\alpha _{i_{1}},\cdots ,\alpha _{i_{n}})\in \mathbb {R} ^{n},i=1,\cdots ,m} と β j = ( β 1 , ⋯ , β n ) ∈ R n {\displaystyle \beta _{j}=(\beta _{1},\cdots ,\beta _{n})\in \mathbb {R} ^{n}} が与えられると、すべての小さな ϵ > 0 {\displaystyle \epsilon >0} に対し、整数 p i {\displaystyle p_{i}} と q j {\displaystyle q_{j}} が存在し、 | ∑ i = 1 m q i α i j − p j − β j | < ϵ , 1 ≤ j ≤ n {\displaystyle {\biggl |}\sum _{i=1}^{m}q_{i}\alpha _{ij}-p_{j}-\beta _{j}{\biggr |}<\epsilon ,\ \ \ \ 1\leq j\leq n} , が成り立つことと、 ∑ j = 1 n α i j r j ∈ Z , i = 1 , … , m , {\displaystyle \sum _{j=1}^{n}\alpha _{ij}r_{j}\in \mathbb {Z} ,\ \ i=1,\dots ,m\ ,} であるすべての r 1 , … , r n ∈ Z , i = 1 , … , m {\displaystyle r_{1},\dots ,r_{n}\in \mathbb {Z} ,\ i=1,\dots ,m} に対し、数 ∑ j = 1 n β j r j {\displaystyle \sum _{j=1}^{n}\beta _{j}r_{j}} が再び整数となることとは同値である。 クロネッカーの近似定理は、19世紀の終わりにレオポルト・クロネッカーにより最初に証明された。20世紀後半以降、n次元トーラスやマーラー測度の考え方と関係していることが明らかとなっている。力学系の言葉では、クロネッカーの定理は、惑星の周期に(互いの間の引力相互作用による)依存関係が存在しないとすれば、恒星の周りを円軌道を描いて回る惑星は、時間を経てすべてが整列することを意味する。
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