チミンダイマー
チミンやシトシンは、紫外線を吸収するとピリミジン環の二重結合が開裂して、DNA2重らせん上の隣の塩基同士で共有結合を形成することがある。特によく見られるのが隣り合うチミン同士が結合する「チミンダイマー」である。
ダイマーが形成されると塩基付近の立体構造が大きく変わるため、酵素が塩基を正しく認識できなくなる。DNAの複製を行うDNAポリメラーゼは、ダイマーとなった塩基CCに対合する塩基として、通常のG(グアニン)ではなく、A(アデニン)を繋いでしまうことがある。そのため、娘細胞には変異した遺伝子が伝えられることになる。もし、このような変異がSrcチロシンキナーゼやp53ガン抑制遺伝子上で起きると、娘細胞がガン化してしまう。
修復機構
除去 - 1vas
このエンドヌクレアーゼは、ダイマーとなった塩基を切り出して除去する。除去された後は、正しい塩基がポリメラーゼによって埋められ、リガーゼで繋がれる。この酵素は、チミンダイマー部分を直接認識しているのではなく、水素結合が無くなってふらふらしているアデニン部分を認識して切り出しているらしい。
修正 - 1tez
Reference
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