鎖複体
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数学において、鎖複体(さふくたい)あるいはチェイン複体 (英: chain complex) と双対鎖複体あるいは余鎖複体、コチェイン複体 (英: cochain complex) は、元来は代数トポロジーの分野で使われていた。(余)鎖複体は、位相空間の様々な次元の(コ)サイクルと(コ)バウンダリの間の関係を表す代数的な手段である。より一般的に、ホモロジー代数では、空間との関係を立ち去った抽象的な鎖複体の研究がされる。ホモロジー代数としての研究では、(余)鎖複体を公理的に代数的構造として扱う。
(余)鎖複体の応用は、通常、ホモロジー群(余鎖複体ではコホモロジー群)を定義し適用する。より抽象的な設定では、様々な同値関係(たとえば、チェインホモトピーのアイデアで始まるもの)が複体へ適用される。鎖複体は、アーベル圏で定義することも容易にできる。
定義
鎖複体
チェインホモトピーはチェイン写像の間の重要な同値関係をもたらす。チェインホモトピックなチェイン写像は、ホモロジー群上の同じ写像を引き起こす。特別な場合として、2つの空間 X と Y の間のホモトピックな写像は X のホモロジーから Y のホモロジーへの同一の写像をもたらす。チェインホモトピーは幾何学的な解釈があり、たとえば、ボット (Bott) とトゥ (Tu) の本に記載がある。さらなる情報は、チェイン複体のホモトピー圏を参照。
関連項目
- 次数付き微分代数
- 次数付き微分リー代数
- ドールド・カン対応は、鎖複体の圏と単体的アーベル群の圏が同値であることを言っている。
参考文献
- Bott, Raoul; Tu, Loring W. (1982), Differential Forms in Algebraic Topology, Berlin, New York: Springer-Verlag, ISBN 978-0-387-90613-3
チェイン複体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/05 20:33 UTC 版)
「ヒルベルト–ポワンカレ級数」の記事における「チェイン複体」の解説
次数付きベクトル空間の例はベクトル空間のチェイン複体あるいはコチェイン複体 C と関連がある。後者は 0 → C 0 ⟶ d 0 C 1 ⟶ d 1 C 2 ⟶ d 2 ⋯ ⟶ d n − 1 C n → 0 {\displaystyle 0\to C^{0}{\stackrel {d_{0}}{\longrightarrow }}C^{1}{\stackrel {d_{1}}{\longrightarrow }}C^{2}{\stackrel {d_{2}}{\longrightarrow }}\cdots {\stackrel {d_{n-1}}{\longrightarrow }}C^{n}\to 0} の形をとる。この複体に対する次数付きベクトル空間 ⊕i Ci のヒルベルト–ポワンカレ級数(しばしばポワンカレ多項式と呼ばれる)は P C ( t ) = ∑ j = 0 n dim ( C j ) t j {\displaystyle P_{C}(t)=\sum _{j=0}^{n}\dim(C^{j})\,t^{j}} である。コホモロジーのヒルベルト–ポワンカレ多項式は、コホモロジー空間を Hj = Hj(C) として、 P H ( t ) = ∑ j = 0 n dim ( H j ) t j {\displaystyle P_{H}(t)=\sum _{j=0}^{n}\dim(H^{j})\,t^{j}} である。この2つの間の有名な関係は、非負係数の多項式 Q(t) が存在して、PC(t) − PH(t) = (1 + t)Q(t) となるということである。
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