スカンディナヴィアとロシア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/19 08:42 UTC 版)
「ヒルフォート」の記事における「スカンディナヴィアとロシア」の解説
スカンディナヴィアとロシア北部では、鉄器時代からヒルフォートが要塞として使用され、いくつかの機能を兼ねていた。通常、丘や山の頂上に置かれ、絶壁や沼地を自然の防壁として利用する。頂上の近寄りやすい部分には石の防壁を築いて防御し、一般に下の斜面にも壁を築いていた。丸い形状から「リングフォート (ring fort)」とも呼ばれ、平地にも建設された。防壁には杭を支えていたと思われる石が残存していることが多い。木製の門があったことが文献に残っている。強固な城壁を持つヒルフォートは古い交易路の側に位置し、攻撃的性格を備えていたが、それ以外のヒルフォートは急襲された際の避難用であって砦としての強固さは低かった。 人口が集中している地域の中心にあるヒルフォートは恒久的な居留地としての要塞であり、その内外に人々が定住していた。古い地名で語尾に sten/stein がつくのは、ヒルフォートがあった場所であることが多い。 スウェーデンでは1100カ所のヒルフォートが知られており、特に西海岸北部とスヴェアランド東部に多い。セーデルマンランド地方に300カ所、ウップランド地方に150カ所、エステルイェートランド地方に130カ所、ブーヒュースレーン地方とゴットランド島にそれぞれ90から100カ所ある。 ゴットランド島のリングフォートはローマ以前の鉄器時代に成立したと見られているが、出土品は紀元200年から600年のものがほとんどである。リングフォートの多くは中世になっても使われ続けた。 フィンランド語ではヒルフォートを linnavuori(複数形は linnavuoret)と呼ぶ。linna(砦)と vuori(山)を組み合わせた語である。フィンランドのヒルフォートは木製のものが多い。
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