スイスチーズ‐モデルとは? わかりやすく解説

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スイスチーズ‐モデル【Swiss cheese model】

読み方:すいすちーずもでる

リスク管理に関する概念一つスイスチーズ内部多数の穴が空いているが、穴の空き方が異な薄切りにしたスイスチーズを何重ねると、貫通する可能性低くなる同様にリスク管理においても、視点異な防護策を何重に組み合わせることで、事故不祥事発生する危険性低減させることができる。スイスチーズモデルでは、完璧な防護壁存在しない認識した上で個々防護壁正しく機能するよう監視することが重要とされる


スイスチーズモデル

スイスチーズモデルとは? 「スイスチーズモデル」とは、リスク管理において、視点異な安全対策を何重に組み合わせることで、リスク軽減させることができるという考え方のこと。英国心理学者ジェームズ・リーズン氏が提唱しました。

スイスチーズモデル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 09:59 UTC 版)

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スイスチーズモデルの図解

スイスチーズモデル: Swiss cheese model)は、マンチェスター大学ジェームズ・リーズンが提唱した[1]リスクマネジメントおよびリスク分析モデル。 主に航空安全工学[2]医療の場などで用いられる。 [1][3]

スイスチーズの「眼」[注釈 1]を問題点に見立て、その大きさや位置が異なるスイスチーズをそれぞれの安全対策に見立て重ねることで「眼」を塞ぎ、リスクを冗長化している。

顕在的問題と潜在的問題

感染症の流行抑止におけるスイスチーズモデル

リーズンは、スリーマイル島原子力発電所事故ボパール化学工場事故チャレンジャー号爆発事故キングス・クロス火災チェルノブイリ原子力発電所事故などの事故報告を調査し、顕在的問題と潜在的問題の区別を提案した[1]。 リーズンは、多くの事故は構造、監視、前提条件、具体的な行動のうち少なくとも1つに問題があると言う仮説を出した。

例えば、悪天候と知っていながら夜間飛行の経験が不十分なパイロットを配置することは「監視」、緊縮財政時に訓練予算を削減することは「構造」、疲労した乗員は「前提条件」に問題がある。

個人的問題と構造的問題

リーズンは、個人的問題と構造的問題(システムの欠陥)の区別を提案した[1]

スイスチーズモデルの個人的問題は責任論を題したものではないが、個人責任の追及は原因究明の足かせになるため、個人的問題は再発防止に注ぐべきとする意見にしばしば引用される。

関連用語

  • ドミノモデル - 失敗の連鎖モデル
  • リスクアセスメント
  • HFACS - チーズモデルを適用
  • SHELLモデル - SHELLモデル自体はコンテキスト解析だが、対策としてチーズモデルを適用することも多い
  • 防護層解析 - チーズモデルを適用することもある

脚注

  1. ^ a b c d James Reason (2000-03-18). Human error: models and management. 320. pp. 768–770. doi:10.1136/bmj.320.7237.768. PMC 1117770. PMID 10720363 
  2. ^ Resilience Engineering: Concepts and Precepts. Ashgate Publishing. (2006). ISBN 978-0-7546-4641-9 
  3. ^ James Reason (1990-04-12). The Contribution of Latent Human Failures to the Breakdown of Complex Systems. 327. pp. 475–484. doi:10.1098/rstb.1990.0090  (JSTOR 55319)

注釈

  1. ^ スイスチーズの穴のことを眼、穴のないスイスチーズのことを盲と呼ぶ。詳しくはスイスチーズを参照。

参考文献



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