シミュレーションの限界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 21:40 UTC 版)
2007年11月28日からは、細かな海底地形を考慮するなどして、津波データベースが一層更新されている。それでも、気象庁が使用しているシミュレーションの予測精度には限界がある。その一つの要因が、計算の前提となっている地震として「傾斜角45度の逆断層型」のみが想定されている点である。このため、実際の地震が「横ずれ断層型」であった場合には、予測される津波高さが過大となり、実測される津波は小さくなる。実際、2002年に発生した石垣島近海での地震において、津波高さ予測は2 mであったものの、実際には潮位が微小に変化しただけとなった。別の要因として、気象庁マグニチュードとモーメントマグニチュードの違いを挙げることができる。気象庁マグニチュードよりモーメントマグニチュードが小さくなるような地震では、一般に、実測される津波が津波高さ予測よりも小さくなる。 これを受け、2007年7月2日より、津波警報の早期解除を行える運用を開始した。この解除は、地震発生後に予報システムにて津波警報を発した後、地震発生後10から20分程度の間に地震発生メカニズムを解析を進め、津波の第1、2波の監視した結果に応じて判定される。なお横ずれ断層の解析の対象海域が当初は南海・東南海・東海海域のみであったものの、2008年3月27日からは、千島海溝、日本海溝の周辺海域にまで拡大されている。
※この「シミュレーションの限界」の解説は、「津波警報」の解説の一部です。
「シミュレーションの限界」を含む「津波警報」の記事については、「津波警報」の概要を参照ください。
- シミュレーションの限界のページへのリンク