ササ・タケとは? わかりやすく解説

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ささ‐たけ【×笹竹/×篠竹】

読み方:ささたけ

小さい竹。


ササタケ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/17 01:46 UTC 版)

ササタケ
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
: ハラタケ綱 Agaricomycetes
: ハラタケ目 Agaricales
: フウセンタケ科 Cortinariaceae
: フウセンタケ属 Cortinarius
亜属 : ササタケ亜属 Dermocybe
: ササタケ C. cinnamomeus
学名
Cortinarius cinnamomeus
(L.) Gray, 1838
シノニム
  • Agaricus cinnamomeus L. (1753)
  • Dermocybe cinnamomea (L.) M.M.Moser
  • Flammula cinnamomea (L.) P.Kumm.
  • Gomphos cinnamomeus (L.) Kuntze[1]
Cortinarius cinnamomeus
菌類学的特性
子実層にひだあり
傘は凸形
子実層は凹頭形
柄には何も無い
生態は菌糸
食用: 不明
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ササタケは、フウセンタケ科フウセンタケ属のキノコである。

概要

幅6cm以下の傘と長さ12cm以下の柄を有する茶色の子実体を生成する。傘の下の密集したひだは、茶色に変わる前は黄色を呈する。針葉樹林の湿った場所に発生する。北半球温帯全体に分布している。

食毒

近年のキノコ図鑑には食用、有毒と記載しているものがあり、火を通せば食べることが可能だが、風味が土臭く、食用価値は低い。 毒性分は明らかになっていないが、体質により腹痛と下痢を引き起こすと言われている。

分類法

1753年にカール・リンネによって Agaricus cinnamomeus として記載された[2]。1838年にエリーアス・フリースによって現在の学名に改められた[3]Dermocybe cinnamomeaMoser)、Flammula cinnamomeaKummer、1871年)および Gomphos cinnamomeusKuntze、1898年)という学名の変遷はフウセンタケ属の分類に関する長年にわたる異なるアプローチを反映している[1]。英語圏では一般的に "cinnamon webcap" として知られている[4]

説明

の肉厚は極めて薄く、直径3-6cmで、初期には球形で、のちにベル型にへこみ、通常は中央に突起を有し、多くの場合は不規則で、縁に向かって曲がったり波打ったりする。縁は初期には内向きにカーブし、のちに真っ直ぐになり、時には縁自体がわずかに曲がりくねってしわが寄ったり、一部分だけしわが寄ったりする。傘の表面は乾燥して不透明であり、細かい繊維でうろこ状を呈し、短く密集したざらざらした毛に覆われており、最初は鮮やかな黄色い黄土色から黄色ないし緑褐色で、のちに毛が少なくなるか全くなくなり、成熟した茶色いオリーブ色ないし明るいオリーブ色を呈する場合には、しばしば縁にサフランの色合いを有し、若い時には外被膜由来の数多くのフィブリルがあり、のちに縁は同色となる。

ひだは密集していて、柄にへこんだ付着部がある。

ひだは互いに密集し、3-5mm幅で、へこみ(切り欠き)があり、歯がついている。若い時には鮮やかな黄色を呈し、次に茶色っぽいオリーブ色に、まれにサフラン色で、最終的に茶色っぽいオリーブ色から鈍いシナモン色となり、ひだと同じか薄い色の歯状(最終的には歯がついた)縁がある。若い標本には傘から柄に伸びる細い繊維状の黄色い皮質がある。の高さは8-12cmで、幅は0.5-0.8cmとなり、円筒形で、しばしわずかに波打っており、中実だが、次に中空で均等な小繊維で覆われ、非常に脆くなる。最初はひだとほぼ同じ色の鮮やかな黄色ないし黄色で、のちに多かれ少なかれオリーブ色を帯び、部分的には茶色くなる。内被膜由来の細かい毛で覆われ、1つまたは2つの不完全で斜めの、通常はすぐに脱落する領域を形成する。は薄く、傘の中ではオリーブ色がかった薄い黄色ないし黄色を呈し、柄では少し暗い色で黄色からオリーブ色となり、わずかに大根状の香りとマイルドな味がする[5]

胞子紋は淡く鈍いサフラン色を呈する。 胞子は細長い楕円形で、表面はほぼ滑らかで細かい穴が開いており、8.5~10μm x 4.4μmとなる。担子器(胞子を帯びる細胞)は20~30μm x 5~8μmである[5]

子実体はキノコ染色で茶色に染めるのに使われる[6]

分布と生息地

このキノコはスゲ属Carex flacca とともに外菌根のような構造を形成する。

子実体は針葉樹林の湿った場所でよく見られ、ヨーロッパだけではなく北半球の温帯全体に分布している[5]。また、中国雲南省でも採取されている[7]

スゲ属Carex flaccaCarex pilulifera の根系にコロニーを形成し、ハルティヒ・ネット(根の表皮細胞と皮質細胞の間に侵入する菌糸の網状構造)を欠いた外菌根のような構造を形成する。ササタケとスゲ属の間に形成された構造は、明確な菌鞘(厚さ85-100μm)、表皮細胞への菌糸の侵入、根状菌糸束および母体外菌糸を有している。これらの外菌根様構造は一次側根に形成されるが、形態学および解剖学的にはダウチ状の根(短く腫れた毛深い側根)とは異なっている[8]

参考文献

  1. ^ a b Cortinarius cinnamomeus (L.) Fr.”. Index Fungorum. CAB International. 2010年8月25日閲覧。
  2. ^ Fries EM (1753) (Latin). Species Plantarum. p. 1173 
  3. ^ Fries EM (1838) (Latin). Epicrisis Systematis Mycologici. p. 288 
  4. ^ Recommended English Names for Fungi in the UK (PDF)”. British Mycological Society. 2011年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年4月4日閲覧。
  5. ^ a b c Mushrooms and other Fungi. London: Peter Nevill. (1961). p. 110 
  6. ^ The Rainbow Beneath my Feet: a Mushroom Dyer's Field Guide. Syracuse: Syracuse University Press. (2001). p. 159. ISBN 978-0-8156-0680-2. https://books.google.com/books?id=1WbvR2PwKcIC&lpg=PA159&dq=Cortinarius%20cinnamomeus&pg=PA159#v=onepage&q=Cortinarius%20cinnamomeus&f=false 2010年8月1日閲覧。 
  7. ^ “Macrofungus resources and their utilization in Shangri-La County, Northwest in Yunnan Province” (Chinese). Journal of Plant Resources and Environment 15 (3): 79–80. (2006). ISSN 1004-0978. 
  8. ^ “Colonization of root systems of Carex flacca and C. pilulifera by Cortinarius (Dermocybe) cinnamomeus”. Mycological Research 106 (4): 452–59. (2002). doi:10.1017/S0953756202005713. 


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