サケスズキ目とは? わかりやすく解説

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サケスズキ目

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/27 01:54 UTC 版)

サケスズキ目
サケスズキ Percopsis omiscomaycus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 側棘鰭上目 Paracanthopterygii
: サケスズキ目 Percopsiformes

サケスズキ目学名Percopsiformes)は、硬骨魚類の分類群の一つ。トラウトパーチ目とも呼ばれ、3科7属で構成される[1]。所属する現生の魚類淡水魚のみ10種で、すべて北アメリカに限局して分布する[2]

分布と形態

タラ目マトウダイ目と同じ側棘鰭上目と呼ばれるグループに属する。10種のみからなる小さな分類群であり、いずれも北アメリカの河川あるいは洞窟に生息し、日本には分布していない。

背鰭に弱い棘条をもつ。腹鰭は胸鰭よりも後ろの位置にあり、尾鰭の分枝鰭条は16本。脂鰭の有無はさまざま。基蝶形骨と眼窩蝶形骨を欠き、前上顎骨を突出させることはできない。外翼状骨と口蓋骨をもつ。鰓条骨は6本、椎骨は28-35個[1]

分類

3科7属10種で構成される。本目の単系統性については異論があり、ドウクツギョ科は側棘鰭上目の他のグループや、棘鰭上目ハゼ亜目に近いとする意見もある[1]

サケスズキ科

サケスズキ科魚類の化石種(Amphiplaga brachyptera)。本科は暁新世から始新世にかけて繁栄し、1属2種のみが現代に生き残っている

サケスズキ科 Percopsidae は1属2種からなる。北アメリカ北部、特にアラスカからカナダケベック州にかけて分布する。所属する2種類のうちサケスズキ Percopsis omiscomaycus は比較的広範囲に生息するが、P. transmontanaコロンビア川水系に限局している[1]

サケスズキは本目の魚類としては最も大きくなるものの、それでも体長は20cmほどである[1]。脂鰭をもつ。頭部には鱗がなく、体幹には円鱗と櫛鱗がある。背鰭は1-2本の棘条と9-12本の軟条からなる。腹鰭の位置は胸鰭よりやや後方で、軟条は8本。ほぼ完全な側線をもつ。肛門は臀鰭の前にある。

カイゾクスズキ科

カイゾクスズキ Aphredoderus sayanus

カイゾクスズキ科 Aphredoderidae は1属1種で、カイゾクスズキ Aphredoderus sayanus のみを含む。アメリカ合衆国東部に分布する[1]

体長は13cmほどになり、脂鰭を欠く。背鰭の棘条は3-4本、軟条は10-11本。腹鰭は胸鰭の後方にあり、軟条は7本。鱗は櫛鱗で、頭部の側面も鱗で覆われる。側線はないか、あっても不完全。肛門は稚魚の段階では臀鰭のすぐ前にあるが、成長にしたがって移動し、成魚では鰓蓋の間に位置するようになる。また、成長につれて臀鰭の第3鰭条が軟条から棘条に変形するという特徴もある[1]

ドウクツギョ科

ドウクツギョ科の1種(Amblyopsis rosae)。本科魚類は大半が洞穴生物で、視覚を失った種類が多い

ドウクツギョ科 Amblyopsidae は5属7種を含み、アメリカ合衆国南部から東部にかけて分布する。Chologaster 属を除く5種は石灰岩鍾乳洞を主な住みかとする[1]

眼は小さく退化し痕跡的で、4種では完全に機能を失っている。体長は最大でも9cm程度。ほとんどの種類は腹鰭をもたないが、ある場合は腹部に位置する。脂鰭をもたず、成魚の肛門は鰓蓋の間にある[1]。側線はないか、不完全。

出典・脚注

  1. ^ a b c d e f g h i 『Fishes of the World Fifth Edition』 pp.287-289
  2. ^ 『新版 魚の分類の図鑑』 pp.80-81

参考文献

外部リンク



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