ゴマハギとは? わかりやすく解説

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ゴマハギ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/25 00:20 UTC 版)

ゴマハギ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
: ニザダイ科 Acanthuridae
: ヒレナガハギ属 Zebrasoma
: ゴマハギ Z. scopas
学名
Zebrasoma scopas
(G. Cuvier, 1829)[2]
シノニム[3]
  • Acanthurus scopas Cuvier, 1829
  • Acanthurus suillus Cuvier, 1829
  • Acanthurus altivelis Valenciennes, 1835
  • Acanthurus ruppelii Bennett, 1836
  • Zebrasoma supraalba Fowler, 1946
英名
brown tang
twotone tang
scopas tang
brush-tail tang

ゴマハギ (学名:Zebrasoma scopas) は、ニザダイ科に分類される海水魚の一種。インド太平洋に分布し、主に藻類を食べる草食魚である。観賞魚として人気の種である。

分類と名称

1829年にフランス動物学者であるジョルジュ・キュヴィエによって Acanthurus scopas として記載され、タイプ産地はインドネシアバンダ諸島バンダ・ネイラ島英語版とされた[4]。ヒレナガハギ属の中では、キイロハギが最も近縁である[5]。ヒレナガハギ属はニザダイ科に分類され、ナンヨウハギと近縁である。従来のスズキ目ではなく、ニザダイ目英語版に分類する場合もある[6]

種小名は「ほうき」を意味し、尾柄にある剛毛を指す[7]

形態

幼魚

体型は側扁した楕円形で、吻は突き出る。体長は40cmに達する。頭部は白っぽく、体は淡褐色で、尾部は黒く、その付近は暗褐色である。体には淡い淡緑色の模様が入り、頭部では点だが、体中央部では線となり、後縁で再び点となる。幼魚は体色が淡く、黄色がかった縞が入り、比較的大きな背鰭を持つ。成魚は尾柄に白い棘がある。背鰭は帆のように大きく、4-5棘と23-25軟条から成る。臀鰭は3棘と19-21軟条から成る[3][8]

分布と生息地

インド太平洋地域に分布し、水深60m以浅に生息する[3]東アフリカから日本ピトケアン諸島マレーシアインドネシアオーストラリアロード・ハウ島ラパ島まで分布する。2008年にはフロリダ州フォートローダーデール近郊で観察された[8]

生態

主に糸状藻類を餌とするため、特殊な咽頭歯英語版を持っている。サンゴ礁の外側や、サンゴが豊富なラグーンで見られる。成魚は群れを作り、幼魚は時々群れるものの、基本的に単独で生活し、サンゴの間を泳いでいるのがよく見られる[3]

一夫一婦制であり、つがいや小さな群れで産卵をする。雄の方が大型化する傾向がある。産卵の際には水面に急上昇し、受精は体外で行われ、卵は水中に散らばる。仔魚は数週間プランクトンとして生活し、その後定着して幼魚となる[3][9]

人との関わり

入手しやすく、初心者でも飼育しやすい。サンゴを食べないため、サンゴの水槽でも問題なく飼育できる。他のニザダイ科魚類よりも小型で、攻撃性も低い。容積340L以上の水槽を必要とする。幅広い環境に適応する。肉を含む様々な餌を食べるが、食事の中心は野菜である。水槽内で繁殖する藻類を食べる。ヒレナガハギ属の中でも比較的温和な種で、他の種類のハギ類と同居が可能である[10]

出典

  1. ^ Abesamis, R.; Choat, J.H.; McIlwain, J. et al. (2012). Zebrasoma scopas. IUCN Red List of Threatened Species 2012: e.T178005A1518420. doi:10.2305/IUCN.UK.2012.RLTS.T178005A1518420.en. https://www.iucnredlist.org/species/178005/1518420 2025年1月25日閲覧。. 
  2. ^ Bailly, Nicolas (2010). "Zebrasoma scopas (Cuvier, 1829)". World Register of Marine Species. 2025年1月25日閲覧
  3. ^ a b c d e Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2023). "Zebrasoma scopas" in FishBase. June 2023 version.
  4. ^ CAS - Eschmeyer's Catalog of Fishes Zebrasoma”. researcharchive.calacademy.org. 2025年1月25日閲覧。
  5. ^ Radu C. Guiasu; Richard Winterbottom (1993). “Osteological Evidence for the Phylogeny of Recent Genera of Surgeonfishes (Percomorpha, Acanthuridae)”. Copeia 1993 (2): 300–312. doi:10.2307/1447130. JSTOR 1447130. 
  6. ^ J. S. Nelson; T. C. Grande; M. V. H. Wilson (2016). Fishes of the World (5th ed.). Wiley. pp. 497–502. ISBN 978-1-118-34233-6 
  7. ^ Order ACANTHURIFORMES (part 2): Families EPHIPPIDAE, LEIOGNATHIDAE, SCATOPHAGIDAE, ANTIGONIIDAE, SIGANIDAE, CAPROIDAE, LUVARIDAE, ZANCLIDAE and ACANTHURIDAE” (英語). The ETYFish Project (2024年11月20日). 2025年1月25日閲覧。
  8. ^ a b Zebrasoma scopas (Cuvier, 1829): Brown tang”. USGS. 2015年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年2月28日閲覧。
  9. ^ Zebrasoma”. WetWebMedia. 2025年1月25日閲覧。
  10. ^ Twotone Tang”. Animal World (27 September 2023). 2025年1月25日閲覧。

関連項目




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