コルキスと金羊毛皮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 08:22 UTC 版)
「ピューティア第四祝勝歌」の記事における「コルキスと金羊毛皮」の解説
英雄たちがイオールコスに集結したのを知り、イアーソーンは彼らを閲し誉めた。船の長として彼は艫に立ち、ゼウスに航海の安全を祈願した。英雄たちの手で櫂が漕がれ、船は異邦人には冷たき海(黒海)へと入った。彼らは「打ち合う岩」のあいだを無事進むことができるよう神に祈った。この二つの岩は船(アルゴー号)が無事通過した後、もはや二度と動くことはなくなった。 こうして彼らはパーシス河に至り、そこで顔黒きコルキス人に出会い、ヘーリオス神の子アイエーテース王にまみえた。このとき、女神アプロディーテーが王の娘メーデイアの心に情火を灯し、王女は父王への畏敬を失って英雄たちの味方となった。アイエーテースが条件として出した難題に対し、彼女はイアーソーンに援助を与えた。二人は結婚を約した。 燃える火炎を吐く二頭の牡牛を、王女からもらった油を全身に塗ったイアーソーンはいともやすやすと押さえつけくびきにかけ、先にアイエーテースが示したのと同様に、広大な耕地に深い畝を造って耕した。アイエーテースはこの難行をしてのけた者には、喜んで金羊毛皮を与えようと先に宣言していたのである。太陽神の子アイエーテースは、この次第を知り、輝く毛皮のある場所を教えた。だがそこの茂みには、守護者として、五十櫂船さえも小さく思える龍がおり、金羊毛皮はその龍の顎のところにあった。
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