コウノイケカウル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 05:00 UTC 版)
1976年7月の鈴鹿のレースで、「マーチのオリジナルカウルでは、ライバルとは戦えない」と判断した、マーチ・75Sの片山とマーチ・76Sの長谷見は、マーチ・73Sのセンターカウルがないのでムーンクラフトではない新規のカウルを必要とした。両者とも関西のレーシングチームであるので、関西のコンストラクタである鴻池レーシングに、マーチの新型カウル作成を依頼した。 この依頼を受けて、鴻池レーシングは、フロントにウエッジシェイプを基調としリアにロールバーを覆うクローズドルーフのカウルを作成した。フロントカウルは、フェンダ部と中央部に分かれ、フロントのオーバーハングの増加を防ぐために、フロント最前面にノーズ・スポイラを設置して、中央部にウエッジシェイプ、フェンダ部はダルノーズとした。 このカウルは、タイヤのホイールアーチ部の隙間がムーンクラフトよりも大きので、カウルの浮き上がりが発生するのと前面投影面積が大きかったので、1977年3月の富士GC第1戦まで片山が使用し、1977年5月の富士1000㎞で片山/従野のペアで優勝を獲得した。その後1977年6月のGC第2線からムーンクラフトカウルに交換された。 なお 1977年5月の富士1000㎞で片山/従野のペアでの優勝は、マーチの2座席スポーツカーでのMCS以外のカウルでの初めての優勝を記録した。
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