ケトンの触媒還元
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/11 23:01 UTC 版)
「ケトンの不斉還元」の記事における「ケトンの触媒還元」の解説
ボランまたはカテコールボランをケトンの還元剤として用いる際、キラルなオキサザボロリジンを触媒として用いることができる。カテコールボランは、ボランがルイス塩基に付加した溶液の代わりに用いることができる。 (7) 正味の変化が、ある有機分子から他の分子への水素原子の移動である還元反応は、移動水素化と呼ばれる。ケトンへの水素移動反応が起こるとアルコールが生成し(メールワイン・ポンドルフ・バーレー還元)、ここでキラルな遷移金属触媒が存在すると反応が立体選択的に進行する。キラルなジアミンが存在すると、ルテニウムがアリルケトンとイソプロパノールの間での立体選択的な水素移動を触媒する。なお、ルテニウムの代わりにサマリウム(III)、イリジウム(I)、ロジウム(I)など他の金属イオンも用いられることがある。 (8) 蟻酸や蟻酸塩も、水素移動型水素化の還元剤として用いられる。単純なアリルケトンは、キラルなアミノアルコールが配位子に入った時に立体選択的に還元される。 (9) 遷移金属触媒は、還元剤として反応によって消費される水素ガスと共に用いられることもある。キレート配位するケトンは、キラルなRu(BINAP)触媒の存在下で立体選択的に還元される。新たに生成した不斉中心の立体配置は、BINAPを使った水素化のモデル(図(3)参照)によって予測される。 (10) ヒドロシリル化(英語版)も、シリルエーテルの加水分解の後にケトンを還元するのに使われることがある。ロジウム(I)やロジウム(III)の塩が、ヒドロシリル化を行う際、特に使用頻度の高い触媒である。PyBOX(英語版)配位子があると、不斉誘導が起こる。 (11)
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