グリーンマンの起源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 18:05 UTC 版)
1939年、イギリスのレディ・ラグランの研究論文によってグリーンマンの研究が始まり、この種の像に「グリーンマン」の名がつけられた。それ以前は「葉の頭」「葉の仮面」などと呼ばれ、他に無数に存在する教会装飾と特に区別されることはなかった。 グリーンマン自体の神話伝説はほとんどない。キリスト教以前のケルト神話などの、森林・樹木へのアニミズムの名残で、ケルト神話のケルヌンノスやローマ神話のシルウァーヌスと関係があると考えられている。また、古代ローマ時代の墓碑などに見られるオケアノスやメデューサの人頭レリーフや、植物神でもあるディオニュソスが祖形となっていると考える研究もある。 キリスト教がヨーロッパに布教していく過程で、植物など、他の土着宗教のシンボルを文様として取り込んだ。グリーンマンを取り入れた最古の例としては、6世紀にトリーア大聖堂が再建された時、司教ニケティウスは古代ローマの遺跡からグリーンマンのレリーフを移築したという。このレリーフは近年の修復作業で再発見されている。
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