グリシンベタインとは? わかりやすく解説

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ベタイン

分子式C5H11NO2
その他の名称ベタイン、Betaine、Trimethylammonioacetate、α-Carboxylato-N,N,N-trimethylmethanaminium、Trimethylglycine、グリココールベタイン、α-アールレイン、Rubrine C、Loramine AMB-13、Abromine、Glycylbetaine、Trimethylglycocoll、Oxyneurine、Lycine、α-Earleine、Glycocoll betaine、ロラミンAMB-13、Glycine betaineルブリンC、アブロミン、グリシルベタイン、トリメチルグリココール、オキシニューリン、オキシノイリン、グリシンベタイン、リシン【ベタイン】、2-Oxo-2-oxylato-N,N,N-trimethylethanaminium、N,N,N-Trimethyl-2-oxylato-2-oxoethanaminium、トリメチルグリシン、(Trimethylaminio)acetic acid anion、Lycine【betaine】、(Trimethylaminio)acetate、Carboxylatomethyltrimethylammonium、2-(Trimethylaminio)acetic acid anion、N,N,N-Trimethylaminioacetate、Carboxylatomethyltrimethylaminium、(2-Oxo-2-oxylatoethyl)trimethylaminium
体系名:2-(トリメチルアミニオ)酢酸アニオン、N,N-ジメチル-N-(カルボキシラトメチル)メタンアミニウム、トリメチルアミニオアセタート、N,N,N-トリメチルアミニオアセタート、カルボキシラトメチルトリメチルアミニウム、カルボキシラト-N,N,N-トリメチルメタンアミニウム、N,N,N-トリメチルカルボキシラトメタンアミニウム、(カルボキシラトメチル)トリメチルアミニウム、N,N-ジメチル-N-カルボキシラトメチルメタンアミニウム、α-カルボキシラト-N,N,N-トリメチルメタンアミニウム、2-オキソ-2-オキシラト-N,N,N-トリメチルエタンアミニウム、N,N,N-トリメチル-2-オキシラト-2-オキソエタンアミニウム、(トリメチルアミニオ)酢酸アニオン、(トリメチルアミニオ)アセタート、カルボキシラトメチルトリメチルアンモニウム、(2-オキソ-2-オキシラトエチル)トリメチルアミニウム


トリメチルグリシン

(グリシンベタイン から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/15 23:24 UTC 版)

トリメチルグリシン
識別情報
CAS登録番号 107-43-7, 590-46-5 (塩酸塩)
PubChem 247
ChemSpider 242 
UNII 3SCV180C9W 
KEGG C00719
D03103 (塩酸塩)
MeSH Betaine
特性
化学式 C5H11NO2
モル質量 117.146
関連する物質
関連するアミノ酸 グリシン
サルコシン
ジメチルグリシン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

トリメチルグリシンN,N,N-トリメチルグリシン、N,N,N-trimethylglycine)とは、グリシンの窒素が四級アンモニウムの形までメチル化した構造を持つ有機化合物。アンモニウムとカルボキシラートアニオンとを分子内に含み、広義のベタイン(分子内に安定な正負両電荷を持つ化合物、双性イオン)の一種である。CAS登録番号は [107-43-7]。TMGグリシンベタインまたは単にベタイン無水ベタインなどとも呼ばれる。

多くの生物体内に存在し、野菜キノコなどの食物にも含まれる。特にテンサイ (Beta) に多量に含まれ、ベタイン (Betaine) の名はこれに基づく。現在もテンサイ糖蜜から抽出されている。水によく溶ける。

食品中の含量

食品中のトリメチルグリシン含量
食品中の含量[1][2]
食材 含量 (mg/100g)
小麦ふすま 1339
小麦胚芽 1241
ほうれん草 600-645
ビート 114-297
エビ 219
小麦パン 201
食品中の含量(USDA)[3]
食材 含量 (mg/100g)
キヌア 630.40
ケロッグ オールブラン 360.00
ライ麦 146.10
ビート(生) 128.70
ほうれん草(生) 102.60
小麦パン 85.2
パスタ(調理済み) 68.0
サツマイモ(焼き芋) 34.6

利用

食品添加物既存添加物)として扱われる。少し苦味のある甘味を呈し、うま味を増したり味をまろやかにする効果がある。化粧品などの保湿剤としても用いられる。

生体内でメチル基供与体として働くことから、高ホモシステイン血症(動脈硬化の危険因子とされる)の治療に用いることが提唱されている。

トリメチルグリシンは DNAシークエンシングなどで、PCR やその他の DNAポリメラーゼ反応の助剤として用いられる。DNA の二次構造形成を防ぐ(GC含量の多い配列の融解温度を下げるためとされる)ことにより、これらの反応が正常に進行しない問題を解決することができる。

生化学機能

哺乳類においてトリメチルグリシンは以下の3つの機能が知られている。

  • 腎髄質細胞などに蓄積して細胞外高浸透圧を調整する(有機浸透圧調整物質)
  • 変性条件下におけるたんぱく質の構造安定化
  • ホモシステインをメチオニンに変換する反応においてメチル基を供与する(メチルドナー)

トリメチルグリシンは、コリン葉酸ビタミンB12、およびS-アデノシルメチオニンと共に機能する。 ホモシステインをメチオニンに変換する反応では、ベタイン—ホモシステイン—S—メチル基転移酵素 (BHMT, E.C. 2.1.1.5, 亜鉛含有金属酵素)反応にて、メチル基を供与するメチルドナー[4]として機能する。

trimethylammonioacetate + L-homocysteine


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