クンマーの理想数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 23:31 UTC 版)
「フェルマーの最終定理」の記事における「クンマーの理想数」の解説
コーシーとラメが争っていたのと同じ頃、エルンスト・クンマーが自ら打ち立てた理想数の理論(後にリヒャルト・デーデキントがイデアルの理論として発展させる)を導入する。これにより、多くの素数において一意的な因数分解が可能となり、n が正則素数である(もしくは正則素数で割り切れる)全ての場合については証明がなされた。虚数レベルでの一意的な因数分解が不可能な非正則素数も無限に存在するが、クンマーは 100 以下の非正則素数(37, 59, 67 の 3 個しかない)についてはそれぞれ個別に研究して解決した。その結果、100 までの全ての奇素数 n について(当然 100 以下の奇素数を約数に持つ全ての n についても)フェルマー予想が成り立つことが証明され、それまでの個別研究からこの問題は大きく飛躍した。 1857年、フランス科学アカデミーは、1816年に続き1850年に設けたまま受賞者の出なかった「フェルマー予想の証明者」のための懸賞金(金メダルと3000フラン)を(最終的解決でないことを承知の上で)クンマーに与えた。1874年、クンマーは 101 から 163 までの指数について計算を実行し、新たに 101, 103, 131, 149, 157 の 5 個が非正則素数であることを示した。 その後、クンマーの理想数を発展させた代数的整数論による判定法をコンピューターで計算させることにより、1994年の初めには 第一の場合 奇素数 p < 8.8×1020 第二の場合 奇素数 p < 4000000 の場合にフェルマー予想が成り立つことが証明された。
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