クロス・コンタミネーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/15 15:39 UTC 版)
「コンタミネーション」の記事における「クロス・コンタミネーション」の解説
コンタミネーションの一種に、クロス・コンタミネーションと呼ばれるものがある。これは検査試料や実験対象になるサンプル間での混入を意味し、例えばある患者から採取した遺伝子サンプルに別の患者のサンプルが少量混入する場合などがこれに当たる。このような医療分野でのクロス・コンタミネーションは誤った診断結果から医療ミスにつながる可能性があるため、特に注意が必要とされる。 クロス・コンタミネーションを起こした場合、本来の結果とは異なる、誤った結果が得られるため、実験や診断の正確性が失われる。クロス・コンタミネーションはさまざまな科学実験の過程で生じうるものであり、その多くの場合、ピペットなどの実験器具や測定機器などを介して、複数のサンプルを扱う際に微量のサンプルが別のサンプルに混入するために起きる。クロス・コンタミネーションの実験結果への影響を避けるため、複数のサンプルを実験で扱う場合、対象となる物質の濃度が既知のものについては、その濃度が薄い方から濃い方の順で扱うことによって、前のサンプルから持ち込まれる量の割合を減らすことができる。ただし濃度が未知のものを扱う場合や、増殖する生物材料(細菌など)を用いた実験、PCRによる遺伝子増幅など、極めて感度の高い実験では、その都度使い捨て(ディスポーザブル)の実験器具を用いて、厳密に防ぐ必要がある。
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