クレブシュ–ゴルダン係数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/22 08:30 UTC 版)
量子力学においてクレブシュ–ゴルダン係数(クレブシュ–ゴルダンけいすう、CG係数、英: Clebsch–Gordan coefficients)またはウィグナー係数は、角運動量の合成で生じる係数の組である。2つの角運動量の和によって出来た角運動量の固有状態を得るために必要となる。
より数学的にはCG係数は表現論、特にコンパクトリー群において、既約表現の数とタイプが抽象的に分かっており、既約表現のテンソル積を既約表現に直和分解する場合に使われる。 不変理論で同様の問題について研究したドイツの物理学者アルフレッド・クレブシュ(1833–1872)とポール・ゴルダン(1837–1912)にちなんで命名された。
古典力学では、CG係数やSO(3)群に関連するものは球面調和関数の乗算によってもっと直接的に定義される。量子力学的なスピンの導入はこのアプローチから行える。
クレブシュ–ゴルダン係数は全角運動量固有状態を結合していないテンソル積基底で展開したときの展開係数である。この定義の意味は角運動量演算子、角運動量固有状態、角運動量固有状態のテンソル積を定義することで明らかとなる。
角運動量の形式的な定義から、クレブシュ–ゴルダン係数における漸化式がわかる。係数の具体的な数値を定めるためには、位相則を選びださなければならない。
以下の定式化ではディラックのブラケット記法を使う。また位相則としてコンドン–ショートレーの位相則を用いる。
定義
全角運動量の固有状態は、カップリングしてない基底の完全性関係を使って展開できる。
クレブシュ–ゴルダン係数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/07 03:05 UTC 版)
「球面調和関数」の記事における「クレブシュ–ゴルダン係数」の解説
クレブシュ–ゴルダン係数とは、二つの球面調和関数の積を球面調和関数の線形結合で展開する際の展開係数である。ウィグナーの3-j記号やラカー係数、スレーター積分など様々な計算方法があるが、本質は同じである。抽象的には、クレブシュ–ゴルダン係数は二つの回転群の既約表現のテンソル積を既約表現の和で表わすときの係数と見ることができる。よって、適切に正規化すれば多重度と一致する。
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