体球調和関数とは? わかりやすく解説

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体球調和関数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/26 06:45 UTC 版)

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物理学数学において、体球調和関数(たいきゅうちょうわかんすう、: solid harmonics)は球面座標系でのラプラス方程式の解を指す。原点で0になる正則な(regular)体球調和関数

この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。2010年10月

±m についての簡単な線形結合によって、体球調和関数は実数値関数の集合に変換される。デカルト座標系で表示された実の正則体球調和関数は、x, y, z についての l 次斉次多項式である。これらの明示的に書かれた多項式は、例えば(球面座標で書かれた)原子軌道や実数値の多重極モーメント英語版に現れ、重要である。以下でその導出を行う。

線形結合

先述と同じ定義で、

ただし

ここで l 次のルジャンドル多項式である。

この m に依存した位相はコンドン・ショートレー位相(Condon-Shortley phase)として知られている。

実の正則体球調和関数は次のように定義される。

また m = 0 に対しては

線形変換はユニタリ行列によるものなので、正規化因子は実数値の場合も複素数値の場合も同じになる。

z-依存因子

u = cos θ と書くと、ルジャンドル多項式の m 階導関数は次のような u の多項式で書ける。

ここで

z = r cosθ だから、この導関数には適当な r の冪乗を掛ければ z のシンプルな多項式になる。

(x,y)-依存因子

次に、x = r sinθcosφ と y = r sinθsinφ に注意すると

同様に

これらより、次のように定義する。

まとめ

低次の関数のリスト

l = 5 以下の関数の明示式を記す。ここで



低次の は次の通りである。

m Am Bm
0
1
2
3
4
5

参考文献

  • Steinborn, E. O.; Ruedenberg, K. (1973). “Rotation and Translation of Regular and Irregular Solid Spherical Harmonics”. Advances in quantum chemistry. 7. Academic Press. pp. 1–82. ISBN 9780080582320. 
  • Thompson, William J. (2004). Angular momentum: an illustrated guide to rotational symmetries for physical systems. Weinheim: Wiley-VCH. pp. 143–148. ISBN 9783527617838. 



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