クルド人とシリア野党の交渉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/16 06:29 UTC 版)
「ロジャヴァ革命」の記事における「クルド人とシリア野党の交渉」の解説
2011年の5月31日にトルコのアンタルヤにて、シリア野党サミットが開催された。しかし12の政党からなるクルド人の政党連合はこのサミットをボイコットした。8月にはイスタンブールでサミットが行われ、シリア国民評議会の設立につながった。イスタンブールのサミットには12のうちの2つのクルド人政党が参加している。クルド人の政党連合はサミットをボイコットした理由として、開催地がトルコであったことをあげている。クルド左派政党(Kurdish Leftist Party)のシャレフ・カド(Shelal Gado)は「トルコはクルド人の敵である。トルコ国内に2500万人いるクルド人の権利を認めていないトルコがどうしてシリア人とシリアのクルド人の権利を守ってくれるというのか」と語った。しかしイスタンブールのサミットに参加したクルド自由党(Kurdish Freedom Party)のアブドゥルバキ・ユスフ(Abdulbaqi Yusuf)はこれといってトルコ政府からの圧力は感じなかったと語っている。 シリア国民評議会への参加を見送ったことでクルド人はアサド政権とも、反政府勢力とも距離を置く形となった。クルド民主統一党(PYD、シリアのクルド人政党)の議長は、シリア国民評議会へのクルドの不参加は戦略的な決断であると語った。いわく、クルド人とアサド政権との間には結果的な休戦が存在する。すなわちシリアの治安部隊はアラブ人の居住エリアを取り廻すだけで手一杯であり、ロジャヴァ(クルド人地区)に対して人員を割くだけの余力がない。一方のロジャヴァとしては、政権が崩壊した場合にバース党の統治に変わり行政と治安維持を行うための組織、制度を作ることで手一杯であった。 クルディスタン労働者党(PKK、トルコに本部のあるクルド人の政治団体)の党首は2011年11月トルコに対して警告を発している。すなわち、もしトルコがロジャヴァに介入するようなことがあればPKKはシリアのクルド人の側に立つと宣言した。同じ月にPKKのシリア支部がクルド人の民衆蜂起を煽っていると報道がされている。PKKの指導者、ムラト・カラユラン(Murat Karayılan)も、もしトルコ軍がシリアのクルド人地区に介入するようなことがあればトルコ国内のすべてのクルド人地区が戦場になる、と同様の警告を発した。
※この「クルド人とシリア野党の交渉」の解説は、「ロジャヴァ革命」の解説の一部です。
「クルド人とシリア野党の交渉」を含む「ロジャヴァ革命」の記事については、「ロジャヴァ革命」の概要を参照ください。
- クルド人とシリア野党の交渉のページへのリンク