クルシェネク版
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「交響曲第10番 (マーラー)」の記事における「クルシェネク版」の解説
エルンスト・クルシェネクによる第1楽章と第3楽章の補筆版である。補筆にはフランツ・シャルク、アレクサンダー・フォン・ツェムリンスキー、アルバン・ベルクも加わったとされる。ただし、ベルクの注釈は、出版譜には生かされなかったという。クックによる全曲版以降、クルシェネク版が演奏されることはほとんどない。 1951年に出版された版は、1924年にツェムリンスキーがプラハで演奏を計画した際に用意したスコアが元になっていると考えられ、クルシェネクがほぼマーラーの草稿のまま演奏譜に仕立てたとされる第1楽章にも補筆が見られるが、これはシャルクとツェムリンスキーによるものと見られている。ツェムリンスキーなどクルシェネク以外の人物の手も加わっていることから、校訂者オットー・ヨークルの名を取ってヨークル版、ヨークル稿などと呼ばれることもある。 1924年10月14日、ウィーンでフランツ・シャルク指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によって初演。 1951年、ニューヨークのアソシエイテッド・ミュージック・パブリッシャーズ(AMP社)から出版。 録音1953年、フレデリック・チャールズ・アドラー(英語版)指揮、ウィーン交響楽団 (Music & Arts) 1958年、ジョージ・セル指揮、クリーヴランド管弦楽団 (ソニー・ミュージック) 1966年頃、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮、モスクワ放送交響楽団*第1楽章のみ。
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