クォーク物質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 14:25 UTC 版)
また、A > 300を超える領域には、陽子や中性子に束縛されたクォークではなく、アップクォークやダウンクォークが自由に流れる、安定したクォーク物質の仮想的な相からなる「安定の大陸」が存在するのではないかと考えられている。このような物質は、バリオンあたりの結合エネルギーが陽子や中性子よりも大きいバリオン物質の基底状態であり、この質量閾値を超えると陽子や中性子が崩壊してクォーク物質になると考えられている。もしこの状態の物質が存在するならば,通常の超重核に生成するのと同じ核融合反応で合成される可能性があり、クーロン斥力を克服するのに十分なほど強い結合の結果として、核分裂に対して安定となるだろう。 最近の計算では、アップダウンクォークマター(udQM)ナゲットはA ~ 266を超えても従来の原子核に対して安定であることが示唆されており、また、udQMナゲットは従来の原子核(Zcr ~ 177、A ~ 480)よりも早く(Zcr ~ 163、A ~ 609)超臨界になることが示されている。
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