カーへの応答
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/09 15:10 UTC 版)
『危機の二十年』は、出版後、国際関係研究において不可欠の著作となった。学部教育課程で依然として広く講読されており、伝統的現実主義の基本テキストの一つと考えられている。『危機の二十年』が数多くの研究に刺激を与えた。国際関係論の学説の盛衰を概観した『危機の八十年』の序論で、編者の3人(マイケル・コックス、ティム・ダン、ケン・ブース)は、「カーの『危機の二十年』における議論とジレンマの多くが今日の国際関係の理論と実践に関連している」と指摘する。 しかし、カーへの応答は決して肯定的なものばかりではない。en:Caitlin Blaxtonは、『危機の二十年』におけるカーの道徳的立場を批判した。カーがいわゆる現実主義と理想主義の抗争を提示したことについて批判する研究者もいる。ピーター・ウィルソンによれば、「カーのユートピア概念は科学的概念として十分に練られたものではなく、きわめて便利なレトリック上の仕掛けである」。 『危機の二十年』のもつ複雑な性格について、近年、ジョナサン・ハスラム、マイケル・コックス、チャールズ・ジョーンズらの研究を含んだカーに関する数多くの文献によって理解が深まっている。
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