カルフの宮殿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 15:26 UTC 版)
「アッシュル・ナツィルパル2世」の記事における「カルフの宮殿」の解説
アッシュル・ナツィルパル2世の宮殿はカルフに建設され前879年に完成した。この都市は現在のイラク、バグダードのやや北方にある。宮殿の壁面にはアラバスター製のレリーフが並べられていた。これらのレリーフには精緻な彫刻が施されており、多くは有翼の守護霊(winged protective spirits)に囲まれたり、狩猟を行ったりしているアッシュル・ナツィルパル2世を描いている。それぞれには文書が刻まれていた。この碑文は各レリーフでほとんど同じであったため、基本の碑文(the Standard Inscription)と呼ばれている。これはアッシュル・ナツィルパル2世の系譜を3世代遡るところから始まり、彼の軍事的勝利と帝国の国境を画定したことを語り、彼がカルフを創建し、この宮殿を建設したことを伝えている。また、彼はニムルドに巨大な門を建設した。 イギリスの考古学者オースティン・ヘンリー・レヤードは1840年代にカルフを発掘し、アッシュル・ナツィルパル2世の北西宮殿を掘り出した。この発掘でニムルドから発見された多くのレリーフと彫刻は今日、ロンドンの大英博物館のギャラリーで展示されており、この中にはアッシュル・ナツィルパル2世像と黒色オベリスクが含まれている。別のレリーフはヨーロッパ(例えばミュンヘン)、日本及びアメリカ合衆国の博物館でも展示されている。
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