カルタゲナー症候群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 07:42 UTC 版)
内臓逆位は、原発性線毛運動不全症(Primary Ciliary Dyskinesia: PCD)、繊毛不動症候群(immotile cilia syndrome)またはカルタゲナー症候群(Kartagener Syndrome)と強い因果関係にあることが明らかとなっている。繊毛不動症候群の患者は、その約半数が内臓逆位を示す。繊毛のダイニン腕の欠損によって生じるPCD患者の約50%はカルタゲナー症候群の臨床像を示し、その3つの特徴は副鼻腔炎、気管支拡張症、内臓逆位である。 HFH-4 ノックアウトマウスや DNAH5 変異マウスは、繊毛の異常とともに半数が内臓逆位を示す。同じくマウスを使った研究によると、内臓の左右は発生初期の原始結節の活動によって決定される。さまざまな脊椎動物の胚の顕微鏡観察結果によれば、胚の原始結節周辺では繊毛が高速で回転することによって水流が発生しており、これによって身体の左右が決定されるといわれる。カルタゲナー症候群の個体は繊毛の異常により、水流を作り出すことができず、身体の左右がランダムに決定すると考えられている。
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