カビールとナーナク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/22 08:06 UTC 版)
「インド・イスラーム哲学」の記事における「カビールとナーナク」の解説
バラモンの家に生まれながら不可触民のムスリム(当時不可触民は差別を逃れるためイスラームに改宗することが多かった)に育てられたカビールは自身の経験から宗教に於ける普遍主義や身分制度についての思想を展開した。カビールはイスラームの教えからカースト制度の撤廃などを学んだが、イスラームに於ける細かい一つ一つの戒律については非合理的なものも多いと判断を下した。彼はスーフィー思想の影響を受け、個々人の魂が神と合一することによって魂の救済がなされるとした。また転生やカルマなどについてはヒンドゥー教の教えを踏襲した。カビールよりやや後の時代に生きたナーナクはその影響を受けながらシーク教を創始し、カースト制度廃止、女性差別の廃止などを唱えた。ナーナクは宗教体系の違いはあれど、『永遠であり、この宇宙全てに満ちている神』を信じるならば結局神との合一に至るのだという思想を説き、表面的な宗教の差異にとらわれることを批判した。
※この「カビールとナーナク」の解説は、「インド・イスラーム哲学」の解説の一部です。
「カビールとナーナク」を含む「インド・イスラーム哲学」の記事については、「インド・イスラーム哲学」の概要を参照ください。
- カビールとナーナクのページへのリンク