カチナドール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/28 04:35 UTC 版)
ホピ族の人々が儀式としてのカチナダンスの折、カチナから女の子に手渡されてきたが、現在はホピのみならず、世界中に広がっている。コットンウッドと呼ばれる木製のもので、通常ホピ族のソサエティに所属する精霊カチナ信仰の男性が色や形など決まりに沿って作製している。宗教的ソサエティに所属していない人々が形をまねて作るものはカチナ人形とは呼ばないが、近年お土産物やホピ以外の部族によるカチナ風人形やアーティストなどが独自で似せて作る人形をカチナ人形と表現することもあり、混乱を招いている。元々は、儀式で精霊カチナとなる身近な男性から人形を手渡され、各家で子供たちはそれぞれのカチナの役割や格好を覚えてきた。その姿の愛らしさと神秘性から初めてホピ以外の人々の手の元に手渡ったのは、1870年代、アメリカの地理学者、ジョンウエスリー・パウエルという人物とされている。その後も民俗学者や世界中のアーティストを中心に愛好者が増え、現在ではホピ族の約2割の人々がカチナ人形制作に関わっている。カチナ人形はホピ族の現在の経済に大きくかかわっているといって過言ではない。しかし、先に記したようにホピのソサエティに属さない(カチナ信仰の元暮らしていない人)人々が安易にカチナ人形を作製し、彼らの経済を脅かしているのも事実である。本物のカチナ人形にはそれぞれの精霊の名前が必ず表記されている。単に「カチナ」と表記されているものはカチナ人形ではなく、お土産用にホピ以外の人々が作ったものである可能性が高い。購入する際は販売店にそのカチナの具体的な意味と名前を必ず確かめた方が良い。
※この「カチナドール」の解説は、「カチナ」の解説の一部です。
「カチナドール」を含む「カチナ」の記事については、「カチナ」の概要を参照ください。
- カチナドールのページへのリンク