オンデマンド型のヘッド構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 21:13 UTC 版)
「インクジェットプリンター」の記事における「オンデマンド型のヘッド構造」の解説
上述のインク塗布の機構を集積したものを「プリントヘッド」(または単にヘッド)と呼ぶ。ヘッドには複数のインクノズルが作りこまれており、インクカートリッジ内のインクタンクから供給されたインクを塗布する。プリンターの機構で紙などの被印字媒体を動かし、その印字媒体の動く方向と直行方向にプリンターヘッドを動作させて印字を行う「シリアルヘッド方式」が一般的である。また比較的長いプリンターヘッドを固定して、被印字媒体の動きだけで印刷を行う「ラインヘッド方式」もある。インクヘッド製造時には、インクの流路など半導体露光装置(ステッパ)を使って作りこむことが行われる。またインクノズル部分はエキシマレーザーによって加工される場合もある。 インクジェットプリンターでの高密度画素印刷は、このプリントヘッドの高精度の制御が要求される。例えば、1,200dpiの解像度で印刷を行うためには1つの画素を20マイクロメートルで塗布する必要がある。この場合、一滴のインクの量は数ピコリットル(数兆分の1リットル)程度であり、さらにプリントヘッドを毎秒500ミリメートルで移動させながら20マイクロメートルで画素印字するためには毎秒2万5,000発ものインクの噴出が必要となる。当然、カラー印刷の場合では色数(通常4色から7色)分の同じ場所に重ね合わせて噴出する技術が必要である。また、プリントヘッドの動作と被印字媒体送りを同期させる制御や色ごとに塗布位置が若干ずれても目立たないような画像処理をあらかじめ行うなどのプリンター周辺技術も高度なものが求められる。
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