オリオン座ウプシロン星
(オリオン座36番星 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/11 15:09 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動オリオン座υ星 υ Orionis |
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星座 | オリオン座 |
視等級 (V) | 4.62[1] |
変光星型 | ケフェウス座β型?[2] |
位置 元期:J2000.0 |
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赤経 (RA, α) | 05h 31m 55.86019s[3] |
赤緯 (Dec, δ) | −07° 18′ 05.5371″[3] |
視線速度 (Rv) | 17.4 km/s[3] |
固有運動 (μ) | 赤経: -0.10 ミリ秒/年[3] 赤緯: -4.87 ミリ秒/年[3] |
年周視差 (π) | 1.14 ± 0.25 ミリ秒[3] |
距離 | 1,200 光年[注 1] (366 ± 24 パーセク[4]) |
絶対等級 (MV) | -3.22[5] |
オリオン座υ星の位置(丸印)
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物理的性質 | |
半径 | 5.0 R☉[5] |
質量 | 17.2 M☉[5] |
表面重力 | 20 G[4][注 2] |
自転速度 | 20 ± 2 km/s[4] |
スペクトル分類 | O9.7 V[6] |
光度 | 28,000 L☉[5] |
表面温度 | 33,400 ± 200 K[4] |
色指数 (B-V) | -0.26[1] |
色指数 (U-B) | -1.07[1] |
色指数 (R-I) | -0.26[1] |
年齢 | 4.5 ×106 年[7] |
別名称 | |
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オリオン座υ星(υ Orionis、υ Ori)は、オリオン座にある恒星である。青白い主系列星で、視等級は4.62、太陽系からはおよそ1,200光年離れた位置にある[1][4]。変光星として確定してはいないが、ケフェウス座β型変光星ではないかといわれている[2]。
名称
オリオン座υ星は、オリオン座ι星の南にあり、バイエルの『ウラノメトリア』では、オリオン座e星(オリオン座29番星)と共に、オリオンの右足に位置している[8]。フラムスティード番号では、36番が付与されている[3]。「タビット」(ﺛﺎﺑﺖ、Thabit)という固有名も持つとされるが、アメリカのアマチュア博物学者アレンによれば、バリットが著した『宇宙の地理学』の星図にその名前が記述されているものの、そもそもの起源は不明である[9]。なお、アラビア語に「変わらないもの」を意味する、Al Thabitという言葉は存在する[9]。
特徴
スペクトル型
1943年以来、オリオン座υ星は、MK分類でB0 V型星の標準星として用いられてきた[11]。しかし、オリオン座υ星のスペクトル型をO9 V型やO9.5 V型とした例もあり、銀河系内のO型星カタログでは、O9.7 V型と定義してその標準星としている[12][13][6]。
変光
1981年、オリオン座υ星に周期的な吸収線スペクトルの形状変化が見つかった。詳しく調べると、周期およそ12時間の非動径脈動が発生しているものと考えられ、ペルセウス座53番星に代表される、ゆっくり脈動するB型星(SPB)の一つではないかと考えられるようになった[13]。
一方で、測光観測の結果からは、オリオン座υ星がケフェウス座β型である可能性が指摘された[14]。変光星総合カタログの変光星分類によると、ケフェウス座β型の一部がSPBであると分類されており、オリオン座υ星は同カタログでは、新しい変光星候補としてケフェウス座β型に分類、収録されている[15][2]。
位置
オリオン座υ星の年周視差は、ヒッパルコス衛星による測定で、1.14±0.25ミリ秒と求められており、それを距離に換算すると、地球からおよそ2,900光年となる[3]。一方で、減光を基に推定した距離はおよそ1,670光年、スペクトルから推定した距離はおよそ1,190光年と、手法によって結果のバラつきが大きい[12][4]。
オリオン座υ星は、オリオン座OB1アソシエーションcの一員とされる[16]。
脚注
注釈
- ^ 距離(光年)は、距離(パーセク)×3.26で計算。
- ^ 出典での表記は、
05h 31m 55.86019s, −07° 18′ 05.5371″
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