オットーサイクル
火花点火エンジンの原型。気体をピストンで圧縮し、上死点において瞬間的に熱の授受が行われ、膨張しながらピストンを押し下げ、下死点において、瞬間的に熱を捨てる方式の理論サイクルのこと。ガソリンエンジン、液化石油ガス(LPG)エンジンなどでは、この熱を燃料の燃焼により得ている。
参照 オットーサイクル機関オットーサイクル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/22 07:56 UTC 版)
オットーサイクル (英: Otto cycle) は火花点火機関(ガソリンエンジン・ガスエンジン)の理論サイクル(空気標準サイクル)であり、定容サイクルまたは、等容サイクルとよばれる[1][2][疑問点 ]。石炭ガスを用いた最初の火花点火機関を作ったのはフランスのルノアールであるが、それをもとに最初の火炎点火式などの実用的なガス機関を製作したドイツのニコラウス・アウグスト・オットー[3]にちなんで、オットーサイクルとよばれている。
サイクル
オットーサイクルは、火花点火機関の実際のサイクルを、下表 1 のような比熱一定の理想気体(空気)の可逆なクローズドサイクル(空気標準サイクル)で置き換えたものと考えることができる[1][2]。
実機関の状態変化 | 置換後の状態変化 | 備考 | |
---|---|---|---|
1 → 2 | 混合ガスの圧縮 | 断熱(等エントロピー)圧縮 | |
2 → 3 | 点火・燃焼 | 等積加熱 | この間のピストン移動を無視 |
3 → 4 | 燃焼ガスの膨張 | 断熱(等エントロピー)膨張 | |
4 → 1 | 排気・吸気(または掃気) | 等積冷却 | この間のピストン移動を無視 |
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図 1. オットーサイクルの p-V 線図
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図 2. オットーサイクルの T-S 線図
オットーサイクルのp-V 線図および T-S 線図を図 1、2 に示す。また、吸気状態を V1、p1、T1、S1 としたときの、サイクル上の各点の状態量を下表 2 に示す。
体積 | 圧力 | 絶対温度 | エントロピー | |
---|---|---|---|---|
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オットー・サイクル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/27 10:15 UTC 版)
「ニコラウス・オットー」の記事における「オットー・サイクル」の解説
オットー・サイクルの内燃機関は当初固定式で設計されており、その動作はシリンダー内のピストンを上下させるものである。後に自動車の内燃機関に採用された形態では、4つのストロークが次のように定義される。 下向きの吸気ストローク、石炭ガスと空気がピストン室に入る。 上向き圧縮ストローク、ピストンが混合気を圧縮する。 下向き出力ストローク、燃料混合気を電気点火器で発火させる。 上向き排気ストローク、排ガスをピストン室から排出する。 オットーはその内燃機関を固定式原動機としてのみ販売した。
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