オキセタン環を含む化合物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/05 10:25 UTC 版)
「オキセタン」の記事における「オキセタン環を含む化合物」の解説
オキセタン環を含む天然物はあまり数多くはないが、次のようなものが知られている。オキセタン環上にアミノ基とカルボキシル基を持つオキセチン (oxetin) は、ストレプトマイセス属の細菌から単離された β-アミノ酸で、抗生物質としての作用を持つ。オキセタン環に2つのヒドロキシメチル基とアデニンが置換したオキセタノシンA (oxetanocin A) は、抗ウイルス薬として働く、巨大菌 (Bacillus megaterium) から単離された化合物である。アデニンの替わりにグアニン、チミンを持つ類縁体も合成されており、それぞれオキセタノシンG、オキセタノシンTと呼ばれる。トロンボキサンA2は血小板の凝集などにかかわる脂質である。オキセタン環が加水分解を受けるとトロンボキサンB2となる。また、テルペノイドにもオキセタン環を持つものがある。抗がん剤の一種として知られ、多くの化学者の全合成の標的化合物となったタキソールのほか、ヤグルマギク属の植物 Centaurea clementei や Centaurea canariensis に含まれるクレメンテイン (clementein)、シソ科ニガクサ属 (Teucrium) の植物に含まれるテウクロキシド (teucroxide) が知られる。 オキセチン オキセタノシンA トロンボキサンA2 タキソール(パクリタキセル) クレメンテイン テウクロキシド
※この「オキセタン環を含む化合物」の解説は、「オキセタン」の解説の一部です。
「オキセタン環を含む化合物」を含む「オキセタン」の記事については、「オキセタン」の概要を参照ください。
- オキセタン環を含む化合物のページへのリンク