オイルポンプと油圧系統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/12 20:56 UTC 版)
「旅客機の構造」の記事における「オイルポンプと油圧系統」の解説
主にエンジン補機のオイルポンプ (Hydraulic Pump) により3,000psi(200kg/cm2) ほどに加圧された駆動油はアキュムレータ(Accumulator、蓄圧器)を持つ油圧配管 (Pressure line) を通じて機内の各部の油圧駆動を必要とする装置へと送られ、切り替え弁 (Selector valve) や供給開閉弁(Supply shut-off valve) の操作によってアクチュエータ(Actuator、作動筒)を押し動かす。圧力の下がった油はフィルタを経由してリザーバタンク(作動油タンク、Hydraulic oil reservoir)へと戻されて、オイルポンプへ供給される。リザーバタンクはオイルポンプへの供給がスムースになるように2-3気圧ほどの空気圧が掛けられている。油圧配管の要所にチェックバルブ(Check valve、逆流防止弁)と呼ばれる片方向だけ流す弁が備えられ、通常は油圧配管内の圧力は調圧器 (Pressure regulator) によって一定の圧力に維持されるが、不具合によって配管内の圧力が規定圧を越えると、逃がし弁 (Relief valve) から作動油を逃がす仕組みになっている。油圧の配管は複数の系統に分かれていて、複数のエンジンごとに備わる油圧ポンプの他に、交流モーター駆動や高圧空気系統によって駆動される油圧ポンプなどの多数のポンプによって加圧されるなど、冗長性を得るために多重化されている。作動油は一般に燐酸エステル系の合成油が使用され、薄い紫色に着色されている。
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