エルマン・サーヴィスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > エルマン・サーヴィスの意味・解説 

エルマン・サーヴィス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/16 01:11 UTC 版)

Elman Service
エルマン・サーヴィス
生誕 (1915-05-18) 1915年5月18日
米国ミシガン州テカムセ英語版
死没 1996年11月14日(1996-11-14)(81歳没)
米国カリフォルニア州サンタバーバラ
国籍 アメリカ合衆国
研究分野 文化人類学
出身校 コロンビア大学
ミシガン大学
軍事経歴
所属組織 国際旅団
陸軍
戦闘 スペイン内戦
第二次世界大戦
テンプレートを表示
プロジェクト:人物伝
テンプレートを表示

エルマン・ロジャース・サーヴィスElman Rogers Service1915年5月18日 - 1996年11月14日)はアメリカ合衆国文化人類学者[1]

経歴

サーヴィスは1915年5月18日、アメリカ合衆国ミシガン州テカムセ英語版で生まれた。1996年11月14日にカリフォルニア州サンタバーバラで死去した。1941年ミシガン大学学士号を取得し、1951年コロンビア大学から人類学博士号を授与された。1949年から1953年にかけてコロンビア大学で教鞭をとった後、ミシガン大学に戻って1969年まで教育を行った。その後カリフォルニア大学サンタバーバラ校に移り、1985年に退職するまで教育を続けた[2]

ミシガン大学での学生生活の途中、サーヴィスはスペイン内戦に義勇兵として参戦し、フランシスコ・フランコ率いるナショナリスト派と対決すべく第15国際旅団英語版(別名エイブラハム・リンカーン旅団)に属して戦った。さらに彼は1941年から1945年にかけ、アメリカ陸軍に属して第二次世界大戦を戦った。

研究

サーヴィスはラテンアメリカインディオを対象とした民族学文化進化、民族学の理論と方法についての研究を行った。彼はパラグアイにおける文化進化について研究し、またラテンアメリカおよびカリブ海地域の文化について研究した。これらの研究は社会組織および国家形成英語版に関する彼の理論を導くことに繋がった。

サーヴィスはアメリカ民族学会の会計幹事を務め[3]、またアメリカ人類学会の会員でもあった。

理論

1962年、サーヴィスは社会進化と政治組織を4段階に分類する研究成果を出版した。それはバンド英語版部族首長制・未開国家である[4]

また、彼は「管理による利益」("managerial benefits")理論を打ち立てた[5]。それは中央集権的な体制が明らかに利益をもたらすがゆえに、首長制のような社会が成立するということを主張している。こうした社会において指導者は追従者へ利益を提供し、やがて首長制社会全体に利益をもたらす。結果的に指導者はその権力を維持し続け、官僚的組織が発達するという考えである。

サーヴィスはさらに統合理論を提案した[6]。彼は初期文明は財産や資源への不平等なアクセスが階層化をもたらすのではなく、不平等な政治力が原因であるという信念を持っていた。彼は初期部名においては真の意味での階級闘争は存在せず、政治的エリート間での権力闘争のみが起こると信じていた。この理論における統合の部分は、たとえばモニュメントが指導者に強制された民衆によって作られるのではなく、無償奉仕によって作られることによる。

サーヴィスはまた、文化進化に関係して「進化の潜在力の法則」という言葉を作り出した。この法則は、ある進化段階における社会の構造がより分化し特定環境に適応したものであるほど、次の段階へと進む潜在力が小さくなるというものである[7]

著書

  • Tobati: Paraguayan Town (1954)
  • A Profile of Primitive Culture (1958)
  • Evolution and Culture (with M.D. Sahlins) (1960)
  • Primitive Social Organization (1962)
  • Profiles in Ethnology (1963)[8]
  • The Hunters (1966)[9]
  • Cultural Evolutionism (1971)[10]
  • Origins of the State and Civilization (1975)
  • A Century of Controversy, Ethnological Issues from 1860 to 1960 (1985)

出典

参考文献

  • エルマン・サーヴィス 著、池田孝一,山田直道 訳『民族の世界 : 未開社会の多彩な生活様式の探究』講談社、1979年10月。NDLJP:12144929 
  • エルマン・サーヴィス 著、蒲生正男 訳『狩猟民』鹿島研究所出版会〈現代文化人類学 2〉、1972年。NDLJP:12141848 
  • エルマン・サーヴィス 著、松園万亀雄,小川正恭 訳『文化進化論 : 理論と応用』社会思想社、1977年3月。NDLJP:12143574 



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  エルマン・サーヴィスのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「エルマン・サーヴィス」の関連用語

エルマン・サーヴィスのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



エルマン・サーヴィスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのエルマン・サーヴィス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS