エリピューレーの殺害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 09:48 UTC 版)
「アルクマイオーン」の記事における「エリピューレーの殺害」の解説
遠征後、アルクマイオーンは母エリピューレーが再び買収されていたことを知り、怒って母を殺した。一説には兄弟のアムピロコスも殺害を手伝ったといわれる。しかし母殺しのためにアルクマイオーンはエリーニュスたちに追われ、狂気に取り憑かれた。そしてまずアルカディアの祖父オイクレースのところに行き、次にプソーピスの王ペーゲウスのところに行って、ペーゲウスによって罪を浄められ、王の娘アルシノエーと結婚した。アルクマイオーンはハルモニアーの首飾りと長衣をアルシノエーに贈った。ところがプソーピスから豊饒が失われたとき、神託はアルクマイオーンが原因であり、アルクマイオーンが河神アケローオスのところに去ったならば豊饒は戻るだろうと告げた。このためアルクマイオーンはカリュドーンの王オイネウスのところに行き、次にテスプローティアー人のところへ行った。そしてテスプローティアー人に追放された後、アケローオス河の水源に行った。アルクマイオーンはその地でアケローオスに浄められ、アケローオスの娘カリロエーと結婚し、アケローオス河流域に1市を建設して住んだ。しかしカリロエーはハルモニアーの首飾りと長衣がなければアルクマイオーンと一緒に住まないと言い出したので、アルクマイオーンは仕方なくペーゲウスのところに戻り、デルポイにハルモニアーの首飾りと長衣を奉納すれば狂気から解放されると偽って、首飾りと長衣を返してほしいと願った。ペーゲウスはこれを信じて返したが、召使いが実はアルクマイオーンは新しい妻カリロエーに首飾りと長衣を与えるつもりなのだとペーゲウスに知らせたので、ペーゲウスは2人の子プロノオスとアゲーノールにアルクマイオーンを殺すことを命じた。このためアルクマイオーンは2人に待ち伏せされて殺された。これを知ったアルシノエーが非難すると、プロノオスとアゲーノールは彼女を箱に入れ、テゲアーの王アガペーノールのところに連れて行き、アルクマイオーン殺害の犯人だと偽って、奴隷として与えた。 その後、アルクマイオーンとカリロエーとの間に生まれた子供たちアムポテロス、アカルナーンがペーゲウスに復讐したといわれる。夫の死を知ったカリロエーが復讐のために子供たちが早く成長することをゼウスに願うと、子供たちは突然大人になり、復讐の旅に出た。そしてアガペーノールのところに行き、ちょうどアガペーノールのところにペーゲウスの子供たちがやって来たのでこれを殺し、さらにプソーピスに行ってペーゲウスとその妻を殺したという。
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