エリック・ヴァーリンデの理論
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「エントロピック重力」の記事における「エリック・ヴァーリンデの理論」の解説
2009年にエリック・ヴァーリンデ(英語版)(Erik Verlinde)は、エントロピックな力として重力を記述する概念的なモデルを開示した。 2010年1月6日に、彼はOn the Origin of Gravity and the Laws of Newtonというタイトルの29ページの論文をプレプリント(英語版)として出版した。 この論文は、2011年4月にはJournal of High Energy Physicsに掲載された。 その論理は300年以上の論理をひっくり返すような論理で、重力は「物質の位置に関連付く情報」の結果である」と議論している。このモデルは、ジェラルド・トフーフトのホログラフィック原理を持つ重力と熱力学的アプローチを結びつけている。これは、重力は基本相互作用ではなく、ホログラフィックスクリーン上にエンコードされたマイクロスコピックな自由度の統計的振る舞いから創り出された現象であることを意味している。論文は、科学界からの様々な反応を引き起こした。ハーバード大学の弦理論の研究家アンドリュー・ストロミンジャー(英語版)(Andrew Strominger)は、「それは誤りであるという人もいれば、それは正しいがもう分かっていることだよという人もいる。つまり、それは正しくて深く、正しくて自明なことである」と。 2011年7月、ヴァーリンデはさらに発展させたアイデアであるダークマターの起源についての説明できるのではとの考えを、the Strings 2011 conferenceで提案した。 ヴァーリンデの論文は、多くのマスメディアの注目を集め、宇宙論のフォローアップ記事、ダークエネルギー、宇宙の加速度的膨張(英語版)(cosmological acceleration)、宇宙のインフレーション やループ量子重力理論 についてもすぐに書かれることとなった。また、ある特別なマイクロスコピックモデルが、実際、大きなスケールで現れるエントロピック重力をもたらすことを示したものもある。
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