エフェクター細胞のリクルートと活性化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 13:56 UTC 版)
「インフラマソーム」の記事における「エフェクター細胞のリクルートと活性化」の解説
重要なことに、インフラマソームに由来するIL-18はNK細胞のリクルートにも関与しており、NK細胞は自然免疫応答の初期段階で重要な役割を果たす。さらに、IL-18は感染部位に蓄積したNK細胞のエフェクター機能を刺激する。上皮細胞での自律的な細胞死の誘導と比較して、NK細胞の活性化はより後の時点で病原体の量と全身への拡散の制限を補助する。NK細胞は他の炎症性細胞種をリクルートするためにIFN-γの分泌も行う。 膀胱上皮での尿路病原性大腸菌感染の研究では、膀胱上皮細胞は細菌感染に応答してIL-1βを高いレベルで分泌することが示されている。IL-1βの分泌はNLRP3インフラマソームとカスパーゼ-1に依存しており、分泌された炎症性サイトカインは感染部位へのマスト細胞のリクルートに必要である。その後、マスト細胞は上皮に取り込まれる顆粒を分泌することで、上皮での細胞溶解性の細胞死を誘導する。 NK細胞とマスト細胞に加えて、好中球も自然免疫のエフェクター細胞として重要であり、病原体によって上皮バリアが突破された後の感染組織に浸潤する。インフラマソームの活性化に応答して分泌されるIL-1βとIL-18の双方が好中球のリクルートに関与している。感染組織に到達すると、好中球は侵入病原体の固定や除去を補助し、微生物を直接取り込むかもしくは殺す。さらに、好中球はIFN-γやIL-22などの炎症メディエーターを分泌する。IFN-γは単核食細胞の殺菌能力の活性化を駆動することが知られている。IL-22は上皮バリアを強化すると考えられている。好中球はピロトーシスを起こしたマクロファージ内に捕らえらえた細菌の除去も担う。
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