エスカッシャンとしてのロズンジ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/03 07:08 UTC 版)
「ロズンジ (紋章学)」の記事における「エスカッシャンとしてのロズンジ」の解説
ロズンジは、数世紀の間、特に紋章を持つ女性と深く関係してきた。ロズンジはエスカッシャン又はシールドの代わりに彼女らの紋章を示し、後世にその紋章を引き継ぐための伝達手段として用いられてきた。ただし、紋章記述にシールドではなくロズンジを使用することを明確に記述することはなく、図として示す際にどのような形の中に紋章を示すかという問題である。 カナダを含まないイギリスとスコットランドの現代の紋章学において、未婚女性及び未亡人の紋章は今でもシールドよりもむしろロズンジの上に示されるのが普通で、クレスト又はヘルメットも描かれない。時折そのような女性のためにロズンジの代わりにオーバルまたはカルトゥーシュも使われる。なお、カナダの紋章院は男女平等・同権を旨として特に本人の希望がない限り女性の紋章もシールドの上に描く。 既婚女性は、一部の例外を除き、常に彼女らの紋章をシールドに示す。その例外とは、結婚している間も彼女らの爵位紋章を示すためにロズンジを使う権利を持つ貴族の夫人の場合である。 妻と夫の紋章を並べるインペイルメント、又は、スコットランド以外のイギリスの紋章学で紋章の相続人が女性である場合に、彼女の夫の紋章を示した大きなシールド(未亡人である場合はロズンジ)の上に妻の紋章を示す小さな「見せかけのエスカッシャン」(エスカッシャン・オブ・プリテンス)の形で既婚女性のシールド(及び未亡人のロズンジ)は、彼女自身の紋章を彼女の夫の紋章と結合することがある。 1995年4月7日と1997年11月6日の日付をつけられたイングランドのキング・オブ・アームズの判決により、イングランド、北アイルランドとウェールズ及びロンドンの紋章院の管轄権を認めているニュージーランドのような他の国に住む既婚女性には、夫のためにでなく妻のために表示される紋章を示すためのブリジュア (brisure) として小さなロズンジでしるしをつけられた彼らの夫の紋章を単独で使うのか、または、同じ理由からブリジュアとして小さなシールドでしるしをつけられた彼女ら自身の個人の紋章を単独で使うのかを任意に選択する権利がある。 離婚した女性は、再婚するまで、彼らの先夫の紋章にマスクルでディファレンシングされたものを名目上使用することがある。
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